困難にぶつかったとき大切なこと
――子どもの力を信じる、というのは大切なことだと理解できました。それでも、現地に行ってもうまくいかないこともあるかと思います。海外、国内に関わらず、挫けそうになることはたくさんあるので。そこで大切なことはありますか?
赤井:そうですね、うまくいかないときには共通点があります。まず周囲に依存してしまう子、親離れ・子離れが出来ていないご家庭、「日本にいればこんなことにはならないのに……」と後ろ向きな様子はいい結果になりません。
そして一人で抱えてしまうと、小さな問題が大きくなり、解決できなくなってしまいます。信用できる大人がいること、相談すれば解決できることを、留学を決めてから出発するまでにさまざまな仕掛けで子どもたちに理解してもらいます。私たちと接点を持ち、心を開いてもらって距離を縮めていくわけです。定期的にカウンセリングを行い、1泊2日の研修を実施して、参加者全員と寝食共に過ごします。ここで大切なのは「これは自分で選んだんだ」と自覚を持つこと。これは留学に限らず、何か困難なことがあったときにも言えることだと思います。
――おっしゃる通りですね。大切なことは、ひとと違う選択だとしても、自分で選ぶことで自分を認められるようになることなのかもしれませんね。本日は貴重なお話をありがとうございました。
不登校は特殊なことではない。選択肢があることの素晴らしさ
お話を伺うと、困難に直面しているお子さんに「慎重にサポートし、寄り添う」と同時に、「自分で決めるという自覚を持たせ、自立心を養う」ことを大切にしているのが伝わってきました。
ともすれば教育の場はどちらかに偏ってしまいがちですが、本来はどちらも成長に欠かせないもの。大人が手を差し伸べるべきポイントを設計しながら自立心を養うことを、保護者のみならず周囲の大人がサポートしてくれる。これは大変に心強いことだと思いました。
現在、不登校で悩むお子さんはもちろん、早いうちに海外で視野を広げながら勉強したいと考えている方にも有効なこの情報を、ぜひ選択肢のひとつとして検討いただければと思います。
取材・文・構成/佐野倫子
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