ナンタケットバスケットの話は、今回で最後です。年1回の里帰り期間中、生徒さん達と懇親会を開いているアメリカ在住のLisa Yamaguchi先生。今年は「バングルのワンデーレッスン」を開催するとのこと。じつは私、バングルを持っているので、イレギュラーですがキャンディーバスケットにトライさせてもらうことになりました。バングル、キャンディーバスケットともに素材を選べ、トップ部分に描く文字や絵柄のオーダーができます。
さて、いろいろ調べたつもりでしたが、肝心のバスケットの作り方はなかなか出て来ず、パーツの名称や道具のこともわかっていないまま、えいやっと参加したワンデーレッスンがスタートです。
捕鯨が盛んだったナンタケット島で、木の樽に巻きつけながら編んだバスケットがナンタケットバスケットのはじまり。モールドと呼ぶ木型に底板を取り付け、差し込んだ縦軸に籐を絡ませて編んでいきます。↑の動画(画像をパラパラと組み合わせたもの♡)をごらんくださいませ~~。
ステーブスは底にあたる部分をフリーハンドで先細りにカットし(まっすぐ線が引けないし、紙も切れない私には非常に難しかったです!)、断面をヤスリでならします。Lisa先生お手製のヤスリ台は、小田原・籠清のかまぼこ板に紙ヤスリを貼ったものらしく、めっちゃ使いやすかった!笑
決まった本数のステーブスをモールドの底に差し込み、反対側はゴムで留めた状態からスタート。ステーブスを数本ずつゴムからはずし、水で少し湿らせた藤(ウィーバー)を絡ませては詰めて、ステーブスを戻してゴムで固定し――。ゆっくりと編み進めていきます(編みはじめはド素人には難しいので、先生にやってもらいました)。
少しテンションを掛けながら、固くきっちりと編んでいくのですが、ウィーバーを引っ張りすぎるとステーブスが斜めに仕上がるので注意と先生の指導が入ります。最後までステーブスの間隔が均等で、地面に垂直の状態で編みあがるのが理想的なのだそう。最初はツメでやっていましたが、先っちょに金属の棒がついた道具を借りて、編み目を細かく詰めていきます。素材がかたくてしっかりしていて思い通りにならず、編み目も細かいので、想像以上に力が必要な作業に戸惑いつつ……。
レッスンスタートから約2時間が経過。奇声を発しながら必死に編んで4列目に差し掛かった頃、みなさんのバングルはほぼ完成。ニスを塗って仕上げるため、いったん先生に預けてレッスンは終了です。私はモールドごとまるっと持ち帰らせてもらい、あとは宿題に!
さて、ウィーバーは天然のモノなので長さには限りがあります。編み進み、ウィーバーが足りなくなったらどうするか? やってみるまで知らなかったのですが、それぞれの端っこを薄く削り、元の先を細くカットして、2本を重ねつつ編んでいくのでした。ここがいちばん難しかったです。なかなか重なってくれず、2本が丸見えになってしまいます。今回はウィーバーを5~6本使ったので、5~6回はこの作業がありましたが、とうとうコツはつかめず、力技と諦めでやりすごしました……。
編み編み作業は、まるで“お写経”のようにぐっと集中できて楽しく、約3日間で好みの高さに編みあがりました。終盤になるとステーブスもクセがついて、ゴム無しでもOKに。作業もはかどります。メープルの口元を取り付けたり、ニスを塗るなどの工程はLisa先生&愛弟子ショーコ先生にお願いし、再び手元に届いたのがこちらです↓
さてさて、取っ手を蓋に取り付ければついに完成です。「絵柄と木目を合わせて取り付けること」とのLisa先生の指導を守り、風景と木目の線を合わせてから接着します。「編む」のと「取っ手を差し込む」だけでしたが、自分でやってみると大変さやプロフェッショナルのスゴ技ぶりがよくわかりました。これは本当に大変。こだわりどころはいろいろ満載ですし、半年~1年かかるのも納得です……。
コツコツ、丁寧に、ゆっくりと……どれもこの半世紀、欠けていたものなので、自分を見つめ直す良い機会にも。何より“編み編み”作業中はとっても楽しくて、カスタマイズがいろいろできるし、できあがるバスケットがシンプルで美しくて超好み。もっと編み編みしたくて、ただいまLisa先生の愛弟子さんの教室、空き待ちです!
今回のワンデーレッスンで元生徒さんが持っていた楕円形のパースがとても美しく、ベージュとフォッシルアイボリーでまとめたやさしくて女性らしい世界も素敵だなぁ。編んでみたいなぁと思っています。いつか自作のパースが完成したら、またこちらでご報告させてくださいね♥ 東京オリンピックまでにはたぶん大丈夫かと思いますw
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