良いものは高いものとは限らない
少ないモノで暮らす私ですが、その分、手元にあるのは機能性や肌触りなど、吟味に吟味を重ねたものばかりです。ただし、それらは決して高級品というわけではありません。
以前は、100円ショップにあまり興味がありませんでした。安いからとたくさん買ってしまう、シンプルライフとは対局にある存在のように感じていたからです。でも実際に商品を使ってみて、その考え方はあっさり変わりました。
今使っているピーラーも100円ショップで5年前に買ったもの。これでチーズをスライスしたり、大根をおろしたりもできます。そのうえパスタのメジャー代わりにもなる! こんなに安いのにこんなに役立つなんて。そんなキッチン用品というのは、とくに愛着を感じるものです。値段が高いから良いに決まっている、と選ぶのではなく、安くても良いものはあると考えて選ぶことが大事。だから何かを買うとき、私は徹底的に吟味するんです。
ドミニック・ローホー
著述家。フランス生まれ。ソルボンヌ大学で修士号を取得し、イギリス、アメリカ、日本の大学で教鞭を取る。様々な国に移り住む中で、モノを持たず豊かに暮らす「シンプルライフ」を確立。それを本にまとめた『シンプルに生きる』(講談社+α文庫)がベストセラーに。他に『シンプルリスト』、『99の持ちもので、シンプルに心かるく生きる』(ともに講談社)など著書多数。また禅寺や墨絵を通して日本の精神文化に理解が深いことでも知られる。
〜次回は「「少ない」「小さい」は快適だと知る」 6月6日公開予定です〜
第一回「完璧主義ではなく快楽主義を目指す」はこちら>>
新刊コラム●
『マイバッグ 3つのバッグで軽く美しく生きる』ドミニック・ローホー 著 赤松梨恵 訳
自分にとっての理想のバッグを見つけることは、自分がどう生きたいかを見つけることでもある——。大ベストセラー『シンプルに生きる』(講談社+α文庫)で知られるドミニック・ローホーさんの最新刊は、人生を豊かにするために欠かせないアイテムであるバッグ選びについて説いたもの。本当に必要なバッグの数、バッグの中身の整理の仕方、そしてそこから身も心も軽く生きる秘訣まで教えてくれています。これを読めば、究極のバッグだけでなく、自分らしい幸せもきっと見つけられるはず! ¥1100/講談社
取材・文/山本奈緒子 写真/ドミニック・ローホー著「99の持ちもので、シンプルに心かるく生きる」より
構成/大森葉子(編集部)
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