欲望や嫉妬心は、原動力にもなる


大久保:でも最近、自分ってつくづく欲深くて嫉妬深い、下品な人間だなとも思うんですよ。いい年なんだし、バラエティ番組なんかでは若手に道を譲ればいいのに、どうしても自分が出てしまうし、親友のいとうあさこさんから「CMが決まった」って聞けば、「なにそれ」って思ったりするし。年を重ねてキャリアを積めばそうじゃなくなるのかなと思ってたけれど、一向に変わらない。でもそのわりに日々自分が面白くなるために、物まねを研究するとか、一発ギャグを考えるとか、そういう努力も一切しないし(笑)。

松尾:でも「ハヌーン」ってギャグがあるじゃないですか。

大久保:あれギャグですか。あれ言ってればいいか(笑)。その場のノリでここまで来れちゃったから、そこにあぐらかいているのかもしれない。こういう人間っていつか痛い目にあうんじゃないかと思います。

松尾:どうでしょうねえ。まああるんじゃないですか、そういうのは誰にでも。欲とか嫉妬とかって、それが原動力になったりもするし。

大久保:確かにそれがなくなったらなくなったでダメだと思うけれど、バランスとか出し方で。本当の自分がバレたら、人に嫌われるんじゃないかという怖さが。そうなったら私も極端なので「一切話すの止めよう」とかそんな感じになりそうで。

松尾:でも大久保さんは番組の時間を笑いを取って埋めてる、ちゃんと仕事してるだけで。そういうところでグイッと行かなきゃいけないのはむしろ若手のほうじゃないですか。譲る譲らないじゃない、戦場なんだから。テレビってそういう人が求められてるんだし。

大久保:時々バラエティで50歳60歳の女優さんと共演したりすると、すごく自由なんですよ。タイミング無視して「あ、そうだ思い出した」とか。あれはあれで、女優さんがやるから面白いんですよ。でも私がそういう文脈に無自覚な人になっていくのかと思うとそれも怖い。

松尾:そこで腕が試されるんでしょうけれど、でもそういうことやってないと思いますよ。

大久保:まだやってない、でも今後が怖い。このまま結婚しなかったら仕事しかない、仕事しなきゃいけないと思うと、本当に毎回ブルンブルン肩を回して、「誰もそんなトーン求めてないのに」っていう風になっていったら、って。テレビで大久保さん下品だなとか、状況が見えてないなと思った時は、メルマガに書いてください。仕事なくなるの怖いんで(笑)。

トークイベントは紀伊国屋新宿本店にて開催された。
 
 

<書籍紹介>
『108』

松尾 スズキ 著 1500円(税別) 講談社

108ーーそれは煩悩の数。妻からの思いもかけない告白。脚本家・海馬五郎が挑む悪夢の決算!松尾スズキ自らが、監督・脚本・主演・小説に挑む、一大プロジェクト始動。映画『108~海馬五郎の復讐と冒険〜』2019年秋公開予定映画同名小説を先行発表!!苦悩と笑いの痛快長編!

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撮影/塚田亮平
ヘア&メイク/春山輝美(大久保さん)
スタイリング/野田奈菜子(アップワード・大久保さん)
取材・文/渥美志保
構成/川端里恵(編集部)
 
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