4. ライアンとレイチェルは役のためにかなりトレーニングを積んだ


アメリカ南部のお嬢様であるアリーを自然に演じられるようになるため、レイチェルはバレエとエチケットのレッスンを猛特訓。また南部訛りのアクセントを身につけるためには、2ヶ月の特訓が必要だったとのこと。

映画「きみに読む物語」より。写真:Photofest/アフロ

一方、ライアンは劇中で家を建てるシーンがあるため、大工見習いについて修行を受け、最終的には撮影セットで使用された家具のいくつかを作成したほどの腕前に。ノアとアリーが家のポーチで座っている椅子と、ふたりのロマンティックなシーンに出てきたテーブルがライアン作、とのことですが、一体どの家具のことかチェックするために、またまた観たくなっちゃいますね! 

こういう映画の裏話を聞くたびに、一本の作品を撮るためには凄まじい時間と労力がかけられているんだな〜と感心します。そして役者ってたぶん、器用じゃないとできない職業ですよね。ぶきっちょな私が役者だったとして、バレエも家具作りもモノにならず、役が限られてしまいそうですもの。

 


5. 晩年のアリーを演じたのはカサヴェテス監督の実母


年老いてからのアリー役を演じたジーナ・ローランズは、監督のお母さん。1950年代から女優として活躍するジーナが息子の映画に出演するのはこれが初めてではないとか。高齢だけど美人で品のある、素敵な女優さんだな〜と思っていたけど、お母様だったのですね。

映画「きみに読む物語」より。写真:Album/アフロ


6. あの名セリフはライアンのアドリブだった!?


「きみに読む物語」の中でも私がいちばん好きなシーン。それは、ヒロインのアリーを一途に想い続けるノアが、裕福な名士である婚約者・ロンと自分の間で揺れるアリーに対して決断を迫るシーンです。

このときのセリフが、「うまくやるのは難しい。努力が必要だ。でも俺は努力したい。ずっと君が欲しいから。一緒にいたいから。将来を思い描いてみて。30年後、40年後、誰と一緒だ? もし奴なら行け! それが君の望みなら、俺は耐えていける。無難に選ぶな」というもの。

これに続けてノアは、「他人がどう思うかなんて考えるな。俺の望みもロンの望みも、君の両親の望みも考えるな。君はどうしたい? 君はどうしたいんだ?」と問いかけるのですが、実はこれ、脚本では「君はどうしたい? 君はどうしたいんだ?」のセリフはなくて、ライアンが考えて付け加えたものなんだとか。このセリフが大好きな私にとっては、感慨深いエピソード。ライアン、ナイス・アシストです!

愛は葛藤を伴うものだというのを昔どこかで読んだことがあるのですが、男と女って究極的には、絶対にわかりあえないし、衝突することもいっぱい。だけど「ずっと一緒にいたい」という、その気持ち一点のみで、努力なんてしちめんどくさいこともする。そんな愛についての普遍的な真実を端的に表現した、素晴らしいセリフだと思います。

私の好きな、ラブリーサマーちゃんというアーティストがこの映画を観たあとに、「男は愚直で根性がないとダメだよねって思った」とツイートしていたのですが、まさにその通り。ノアのような男性こそが、このような真実の愛を育めるパートナーとなりうるのではないでしょうか。

そしてバツイチシングルの私は、アラフォー過ぎてからそんな風にお互いに思える相手に出会えること自体が奇跡のようなことだと知っているので、余計にこのセリフに感極まってしまうのであります。

長くなってしまいましたが、「きみに読む物語」。真に人を愛するとは何か。そんなことを考えさせられる、本当にいい作品です。もしこの記事を読んで少しでも気になったなら、ぜひ観てみてくださいね!


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