いよいよ6月10日に「mi-mollet STORE(ミモレストア)」がオープン。ミモレ編集長の川良とバイイングディレクターを務めるスタイリスト福田麻琴さんが、ストア誕生の経緯や商品ラインナップに込めた思いを語り合います。
「10年、20年後も使っている姿が見えるもの」がアイテム選びの基準
川良:ついにオープンですね!
福田:ですね~。でも先に皆さんにお伝えしておくと、商品ラインナップ、少ないです(笑)。徐々に増えてはいきますが、オンラインのショッピングモールのように、何でもあるサイトにはきっとならないかなあ。
川良:そうなんですよ。決して準備が間に合わなかった、というわけではなくて(笑)、これがミモレストアなんです。「ミモレというメディアのコンセプトショップ」と思ってもらえると良いと思います。ラインナップは少数精鋭で、今ミモレが伝えたいファッションや生活のスタイルを象徴するアイテムを厳選しています。そこに関連する記事は、ミモレの中でも最も濃い、上位コンテンツ。お伝えしたいストーリーやおしゃれのスタイルについて綴った記事が並びます。だから、ミモレストアは読むだけで楽しいお店。並んでいるものは、バイインクディレクターの麻琴さんや私とミカヅキ店長の心を動かしたストーリーがあるものだけ。
福田:確かにそれぞれのアイテムに対する記事の読み応えはすごいかも! 実際に私も作り手に取材に行きましたし、ファッションアイテムは着こなしを提案する記事も作りました。どうしてこのアイテムをミモレストアに置きたかったかも熱く語りました(笑)。
川良:ミモレ恒例の編集部員の着比べもあります。さまざまな記事を通して、こんな素晴らしいものがあることを知ってもらえたら、それは嬉しいことだし、麻琴さんを始め、ミモレの編集部員やスタッフそれぞれのファッション観や、このアイテムを手にすることで「毎日のおしゃれや生活がこんなふうに変わりそう」などリアルな声をお伝えできたら、読者の皆さまに新たな発見をお届けし、共感してもらえるんじゃないかなと。
福田:そうですね。オープン時に並ぶモノは「10年後、20年後も使っている姿が見える」ということがひとつの基準になっているような気がします。私自身も年齢とともにモノとの付き合い方、選び方が少しずつ変わってきているなという実感があって。起爆剤のようにトレンドの服を買いたくなるときもあるんですが、自分の好きな定番スタイルが確立しつつある今は、心地よく長く使えるもの、定番スタイルを際立たせてくれる小物に気持ちが向くんですよね。
川良:わかります! ストアにも置くことになったボン マジックのネックレスとピアスがまさにそれです! 私は「365日つけている」が大げさじゃないくらい本当に愛用していて。顔を洗ってスキンケアをしたら、次はボン マジックのピアスというくらいルーティンになっています。
福田:ミモレを通じて、ボン マジックを知ったんですが、私も虜になりました(笑)。バロックパールのイメージが強かったのですが、先日アトリエに取材に伺ったら、翡翠や珊瑚など、いつか似合う私になりたいと憧れていたモノがすべてあって! これからの人生、ずっと付き合っていくブランドになると確信しました。
川良:その確信、よーくわかります! 実はミモレストアを始めたいと思ったきっかけのひとつがボン マジック。これまでに3周年、5周年の特装ボックスや受注会でボン マジックを読者の皆さんにお届けしてきたんですが、期間も個数も限定だったこともあり、どうしても毎回購入いただけない方が出てしまって。欲しいと思ったタイミングで注文できる常設のストアがあったらいいなと思ったんです。
福田:常設なら期間や個数に焦らされることなく、ゆっくり自分のペースで吟味することもできますね。今回ストアに並ぶアイテムも、たくさんあがる記事をじっくり読んでもらって、心が動いたらぜひ手に取ってみて下さい。
バイイングディレクターにスタイリスト福田麻琴さんを起用した理由とは?
福田:そういえば、とても嬉しかったんですが、どうしてバイイングディレクターを私に?
川良:麻琴さんの連載を読んだり、インスタライブでご一緒したりしているときに、いつもモノへの愛情が深い方だなと思っていて。この方が選ぶものなら、そのモノの背景も含めてきっと読者の心に届くんじゃないかなと。
福田:そういっていただけて嬉しいです。私自身がモノの生まれた背景やストーリーに心動かされて買うことが多いので、自分が感動したことを皆さんにお伝えしたくなるんですよ。
川良:麻琴さんはその伝え方も素晴らしいですよね。話すにしても書くにしても選ぶ言葉が温かい気持ちにしてくれるし、そして随所に笑いもあって(笑)。しかも写真も上手! モノへの愛情が伝わってきます。
福田:褒められすぎて照れますね(笑)。
川良:麻琴さんにお願いしたかった理由はまだあるんですよ。オープン時はファッションのアイテムが中心ですが、いずれは器やインテリア、アートも置きたいという構想があります。だから、ファッションの粋を出て、幅広くアンテナを張って、確かな目を持っている麻琴さんにお願いしたいなと!
福田:ぜひ、私も器やアートはお届けしたいです。“ファッション”スタイリストというよりも、ライフスタイルをスタイリングしたい気持ちが強いんです。服も生活もすべて含めて、スタイルをかたちづくる。それが私の目指すところ。だから、これからの読者の皆さんの人生のスタイルを作るお手伝いができたら、それは本当に嬉しいですね。
川良:「スタイルをかたちづくるお手伝いをする」っていいですね。mi-molletSTOREで購入された方が、新しいおしゃれや生活のスタイルを手に入れられる、そんなお店になれたらと思うとワクワクします。
ローファーや黒のマキシ丈スカート。大人の新定番にしたいアイテムたち
川良:ストアに並ぶアイテムのひとつにシーセイというブランドのローファーがあるんです。靴って試着だけでは本当の履き心地がわからないから、実は麻琴さんも私も、一足お先に使っていて。麻琴さん、履き心地、どうですか?
福田:すっごくいい! 履き心地もいいし、歩きやすいのに、デザインもいいというミモレ世代の新定番になる一足だと思います。コンフォートなシューズってコロッと丸い感じが多い中で、マニッシュでエレガントなローファーは発見でした。
川良:ですよね。私も毎日のように履いています。履きやすいから、というのもありますが、毎日のコーディネートにとっても合わせやすいんですよね。あと以前に麻琴さんがコラボされていて即完売したマキシスカートがストアで買えるようになるんですよね?
福田:そうなんです。アルディーノアールとコラボで作った黒のマキシ丈スカート。見た目はタフタのようなドラマティックな雰囲気なんですが、実は機能性素材というスカートで、日常からオケージョンまで使えます。
川良:すごい! 麻琴さんとはこれまでにも特装ボックスを一緒に作ったり、タイアップでコラボでシューズやバッグを作ってきましたが、すごくリアルというか生活している人の視点だなと思っていて。ただ可愛いとかおしゃれなだけじゃない、ちゃんと日常で使えるものばかり。
福田:やっぱり自分も含めて、誰かがちゃんと日常で心地よく使っているところが想像できるものを作るようにしています。もちろん見た目も大切ですが、心地良さや使いやすさとのバランスはかなり重要。シーセイのシューズも見た目と心地よさのバランスが本当にいい一足だなと思って選びました。
川良:物作りをしてきた知見があるからこそのバイイングだったんですね。いずれはバイイングだけじゃなくて、麻琴さんと一緒にオリジナルも作っていきたいなあ。
福田:いいですね!
アイテムは受注生産。すべてにやさしいストアでありたい
川良:ストアに並ぶアイテムは、基本的に受注生産です。作るだけ作って、在庫が残ってしまうのは、モノにとっても、作って下さった方にとっても、そしてミモレにも不幸なこと。なので、お届けするのは注文いただいてから少し先になります。
福田:どのアイテムも今しか使えないトレンドものでは全くもってないので、ワクワク待っててもらえたらいいなと思っています。特にストアオープンにあたって、私がどうしても置きたかった山葡萄のかごバッグは、本当に作るのに手間暇かかるんですよ。実はワークショップで実際に作ったこともあるんですが、大変だった~(笑)。
川良:山葡萄のバッグは本当に素敵ですよね。あんなに経年変化を楽しめるアイテムって他にはないのではと思いました。
福田:そうなんですよ。最初はざらっとした山葡萄の蔓を編んだものが、使い続けると艶が出てレザーのようになるんですから。もっと早くに買っておいてレザーのようになった状態も早めに楽しみたかったなあんて思ったりもしますが、価格と価値に納得して買うことができるのは、やっぱり今の年齢なんですよね。
川良:そうですね。ポンと気軽に買って下さい、というものだけではないので、その価値や背景を理解してもらって、共感して、必要だと思ったら、そのタイミングで買っていただけたら……。と控えめに言っていますが、本当に自信を持ってお届けできる素晴らしいラインナップだなと思っていて。
福田:まだまだいくつも仕込んでいるものがあって、少しずつ登場します。「ミモレストア、次はこれなの!?」なんて、いい意味でビックリしてもらえるものもあると思うので、何が登場するか思い巡らしつつ、待っていて下さいね。
構成/朏亜希子(編集部)