売れるのもモテるのも一握り


──アルバイトは何をされてたんですか。

善し:僕はNSCの時からずっとアメリカ村の古着屋さんで店員さんやらせてもらっていました。たまたま近所の知り合いの人が、古着屋さんあるよって教えてくれて、心斎橋だからNSCに近かったんです。ほぼ毎日NSCに行く以外はずっと働いていました。

多田:アメリカ村に清水湯っていう有名なお風呂屋さんがあるんですけど、相方のバイト終わりにそこのコインランドリーでいつもネタ合わせしていました。僕は心斎橋筋にある不二家で働いていました。ケーキ屋さんやから、かわいい女の子とか来るかなって思って。

「ケーキ屋さんでバイトしてました」ストイックすぎる逆破天荒芸人COWCOWの意外な下積み時代_img3

 

多田:いつもそんなんばっかり考えてましたね。高校生の時はマクドでバイトしてたんですけど、それもかわいい女の子と知り合えるんじゃないかみたいな理由でしたね。結局知り合えないですけど(笑)。 NSC時代はそこで働いて、夕方に学校に行くみたいな。

善し:僕は相方と違って不純な理由じゃないですよ(笑)。しっかり働いていました。

 

──芸人さんってすごくモテそうなイメージです。

多田:いや、稼ぐ人もモテる人もごく一握りなんです。

──いきなり賞もとって、売れていた方ではありますよね。

多田:最初にABCお笑い新人グランプリをとったのも5年目とかなので、そこまではしんどかったなっていう思い出があります。全く順風満帆という感じではなかったですね。

──一般で会社員になることは一切考えず、絶対芸人でやっていくと思っていましたか?

多田:本当に芸人で食べていけるのかなと思いながらも、何か根拠のない自信はあったんです。大丈夫なんかな、でも今楽しいみたいな。

──不安もありつつ楽しかったんですね。

多田:若手特需というやつで、ファンの子もできたりするんです。ちょっとちやほやされてっていうのは、売れてないなりにも多少ですがありました。地元にも芸人やってるってすぐ広まるんですよ。同級生や近所の人に一気に広まるから、辞めるに辞めれないというのもありましたね。