ここ数年、以前よりもよく耳にするようになった「ヘアドネーション」というワード。実際に参加したことがある人も、そうでない人も、改めてヘアドネーション(髪の寄付)について考えてみませんか?
NPO、美容師さん、そして私。
それぞれの視点から深掘りしてみた
私事ですが、先日、ヘアドネーションを行いました。ヘアドネーションとは、小児がんの治療の副作用や脱毛症などにより頭髪に悩みを抱えた子どものために、医療用ウィッグの材料となる髪(ヘア)を寄付(ドネーション)すること。
でも「ヘアドネーションをやってみようかな」と考えて情報を集め始めると、手放しに「いいことをするんだ」とは思えなくなったんです。「自己満足だ」「意味がない」というような否定的な意見をいくつも目にしましたし、自分自身も疑問に思ったり、不安に思ったりすることがたくさん出てきました。実は髪を伸ばし続けている間も、その疑問や不安は解消されないままで……。
そこで今回、全国から寄付された髪を管理し、医療用ウィッグを作って無償で子どもたちに提供されているNPO団体「Japan Hair Donation & Charity」(以下、JHD&C)さんにお話を聞かせていただき、ずっと抱えていた疑問をぶつけてみることに。その取材でわかったこと、そして髪を切ってくださった美容師さんに聞いてわかったこと、さらに私自身が経験したわかったことを通じて、色んなモヤモヤが晴れたので、みなさんに共有できればと思っています。
私は最終的に「やっぱり、やってよかったな」と思っているので、同じような疑問を抱えてアクションに移せずにいる方や、「気にはなっていたんだよね」「言葉は知っているけど詳しく知らないよ」というような方の、参考になれば嬉しいです。
事前準備が大事!
早めに美容師さんに相談を
まずは、ヘアドネーションの流れについてご説明します。ヘアドネーションの団体はいくつかありますが、通常どこも31cm以上の毛束の長さから受け付けているため、私は寄付しようと決めてから3年ちょっと髪を伸ばし続けました。その結果、自分史上、最もロングに! 切る直前はこんな感じでした。
【髪のカット直前】
私の場合、ずっと通っていたヘアサロンが、運よく先述のJHD&C(通称ジャーダック)に協力していたため、「ヘアドネーションをしたいと思っているんですけど……」と相談をしてからスムーズに計画を立てることができました。
私のヘアを7年前からおまかせしているBEKKU hair salonの古川高由さん。ヘアドネーションについて相談をして以降も、定期的に整える程度はカットをしてもらっていましたが、髪を伸ばすにあたって気をつけていたことを改めてうかがいました。
「毛束が31cm以上あれば、毛量が少なくてもドネーション自体はできます。ですが極力、量も取れるように、髪表面に不要なレイヤーを入れないようにしていたのと、内側も必要以上にすかないように気をつけていました。
また、ボリューム調整のためにすく場合も、根元側ではなく髪の毛の下半分からすくことで、伸びてきた髪を生かすようにしました。ドネーションをすると事前にわかっていれば美容師のカットの仕方も変わってくるので、せめて3ヵ月前、可能なら半年前には担当の方に伝えるといいと思います。とはいえ、ご本人がそのときされたい髪型も大切ですから、よく話し合ってくださいね」(古川さん)
なんと! レイヤーはなんとなく気づいていたけれど、根元からすかないようにしてくださっていたとは……!
さらに前回のカットの際、「31cmの毛束であれば、ミディアムにするならあと半年、ショートなら3ヵ月でいけます」ということや、「ショートなら、こんな感じが似合うのでは?」なども提案してもらっていたので、ドネーション用のカットの予約を入れるタイミングや、その後の仕上がりのイメージもしやすかったんです。やはり、事前に話し合っておくって大事!
ちなみにこのヘアサロンは都内の恵比寿にあるのですが、月に2人くらいのペースでヘアドネーション用のカットを依頼されるんだとか。思っていた以上にヘアドネーションって世の中に浸透しているんですね〜。
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