「みりんシロップ」は砂糖やメープルシロップ、はちみつの代わりに
――「みりん女子会」では、みりんを半量に煮詰めて作る「みりんシロップ」を主に活用されていますが、初めてみりんシロップを作る方に、おすすめの使い方を教えてください。
設楽さん:まずは、砂糖やメープルシロップ、はちみつの代わりに使うのが一番簡単です。はちみつやメープルシロップをかけるホットケーキやヨーグルト、アイスクリーム、コーヒー、紅茶などにみりんシロップを使うだけで、みりんシロップの美味しさを手軽に感じられると思います。
もう少し、レシピとして試してみたい方は、「みりんグラノーラ」をおすすめします。健康志向が高い女性にグラノーラが人気ですが、みりんだけで作るグラノーラは、砂糖やオイルを使わなくても美味しく仕上がります。
――みりんシロップはお菓子など甘いものの方が合うのでしょうか。
設楽さん:メーカー勤務時代に実施したアンケート調査で、「みりんは肉じゃがやてり焼きにしか使わないので余る」という答えが多く、市場も縮小していました。
その課題を解決しようと、みりんの用途拡大には甘みが特徴のお菓子市場がチャンスだと思い、お菓子に使う提案をしていますが、基本的には、和食はもちろん洋菓子や洋食、中華、エスニック料理、パンなど料理全般に使える調味料です。
洋食で手軽なものですと、ドレッシングやカレー、エスニック料理では生春巻きのチリソース、麻婆豆腐やエビチリなどとも相性が良いです。自然な旨味と甘味で全体の味わいをまとめたり、まろやかにして、料理の味が決まりやすくなります。はちみつが使える料理にみりんシロップも使えるとイメージするとわかりやすいですね。
みりんを生活に取り入れることは、自分らしい意思と選択で生きること
――今後は、みりんをどんなふうに広めていきたいですか?
設楽さん:「#みりん女子会」は20代から70代まで幅広い世代の方が参加されているのですが「子どもや夫が喜んでくれて嬉しい!」とか「年をとって一人暮らしになり、料理が楽しくなくなっていたが、#みりん女子会に入って料理の楽しさに再び気付いた」とか「闘病中のお母さんが#みりん女子会のレシピは食べてくれた」などの声が日々、届きます。
その声を読むたび、女性のライフステージにはいつも料理が密接に関わっていると感じます。料理は暮らしの忙しさのバロメーターにもなります。心に余裕がなければ料理をしたくなくなるものですが、みりんの香りや優しい甘味を楽しんで料理をすることで、忙しい気持ちを落ち着かせ、癒されるという声も多いです。
みりんをライフスタイルに取り入れることは、単にみりんのおいしさを楽しむだけではなく、自分らしい意思と選択で生きることだと思っています。
私は「#みりん女子会」を料理教室というよりも、「愛ある美味しさとおしゃべりを楽しむ場所」として、忙しい女性がご機嫌になれる場所にしたいと思っています。みりんは体だけでなく心にもアプローチできる調味料です。女性だからこそ伝えられるみりんの「癒し」の魅力をこれからも発信していきたいです。
また、この取組が自国の食文化の継承やお米の自給率の向上、家族の心身の健康に繋がることで、社会全体をより良くしていきたい思いがあります。様々な立場の女性が食卓から社会とつながる活動ができれば、家庭も社会も明るくなっていくに違いないと、今後も「みりんで世界平和」という大きなテーマも忘れずに活動を続けていきたいと思っています。
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設楽さんのレシピ本『わたしに優しい 米粉とみりんのお菓子と料理』が5月に発売されました。全レシピ砂糖不使用、グルテンフリーで、みりんと米粉を使った17のお菓子と16の洋食レシピを紹介しています。
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今回で、『SNSで見つけた「バズり人」さん』は最終回です。これまで本企画をご愛読いただき、ありがとうございました!
構成・文/大槻由実子
編集/坂口彩
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