今はSNSでだれでも情報を発信できる時代。あなたが知りたかった情報は、誰かがネットの海で発信しているかも。本特集は、ミモレ編集部から「新たな視点を得ることができる」「癒しになる」「知らない世界のリアルがわかる」情報をSNSで発信し、密かにバズっている人=「バズり人(びと)」さんのSNSアカウントをご紹介します。

今回は、東京銀座の歌舞伎座裏に佇む老舗和菓子屋「木挽町よしや」さんの三代目・斉藤大地さんです。「木挽町よしや」さんでは、オリジナルの焼印入りのどら焼きが人気ですが、X(旧Twitter)では、お店の前に来る猫のニャーシャちゃんの投稿が話題に。ほぼ毎朝、お店の開店を待っているかのような姿を投稿しはじめたきっかけなどについてインタビューしました。

ニャンが訪れる銀座の小さい和菓子屋「木挽町よしや」さん 猫はいつから来るように?_img0
 


家に入れてあげてもそわそわしている外好きの猫


――X(旧Twitter)で猫のニャーシャちゃんについて発信し始めたきっかけというのはなんだったんでしょうか。

斉藤さん:かれこれ13年ぐらい前になるのですが、お店の前にこの猫が来るようになったんです。毎朝お店のカーテンを開けると(猫が)立っているので、そこから猫に関する発信をし始めました。


――ニャーシャちゃんは何歳になるんですか。

斉藤さん:一番古い写真が2013年なのですが、その時にはもう体も大きかったので、多分13歳から15歳ぐらいなのではないでしょうか。

昔、路地の植木鉢の中で5、6匹子猫が生まれたのですが、おそらくそのうちの1匹がこの猫だったんじゃないかなと思います。

他の子猫たちは、何匹か拾われていったりどこかに行ってしまったりして、残ったのはこの子だけでした。猫はオスだとテリトリーが広いのですが、この子はメスなのでどこかに行かずここに残ったのかなと。


――この辺の地域猫になっているんですね。

斉藤さん:そうですね。我が家はもともと猫好きで、以前は何匹も飼っていたくらいなので、ニャーシャも家で飼おうとして、家の中に何度も入れたのですが、そわそわして外に出ていってしまうんですよね。なので、これは外で飼ってあげた方がこの子の幸せなのかなと思って、今のような状態になっています。台風や雪の日や猛暑日に家に入れてあげても、やっぱりベランダとか、外に出ていってしまうんです。

――お店のドアの前にいたり、台風の時とかにお店の中に入れているのを見て、ニャーシャちゃんは中に入りたいのかと思っていたのですが違うんですね。

斉藤さん:よほど悪天候の時には1日家に泊まらせるのですが、次の日に外に出すとほっとした顔をしているので、基本は外が好きなんだと思います。

――「ニャーシャ」という名前の由来について教えていただきたいです。

斉藤さん:この路地で生まれて、最初は人に慣れてない状態だったので、体を触ろうとしたり近くに寄ると「シャー」って威嚇してきたので、「ニャーシャ」と名付けました。

うちの近所で働いているロシア人の方がよくニャーシャに会いに来ます。ロシアの方って「ナターシャ」とか「シャ」とつける名前が多いので、親しみを持つのかもしれませんね。

――よしやさんで飼っているわけではないけれど、ご飯などのお世話はされているんですね。

斉藤さん:ほぼ毎日朝・昼・夜のご飯と、あとはここを通る人たちがいろいろ持ってきてくださる食べ物をあげています。

元タカラジェンヌで今はイラストレーターのお客さんがいらっしゃるのですが、ニャーシャのイラストを描いてくださったんです。


この方がポストカードを作ってくれて、最近販売しています。わずかな額なのですが売り上げはニャーシャのご飯代にしています。