前回に引き続き、『大人のゆかたスタイルブック』担当編集の山本忍さんに、はじめてゆかたを買う場合、どこで買う?どう選ぶ?を教わります。編集・川端がもっとも気にしていた「小柄な人は”小さい柄”しか無理?」という心配も不要だったことが判明! 夏ももう中盤戦、すぐにでもゆかたを買いに行きましょう。

Q4. はじめてゆかたを買う場合、ミモレ世代はどこでゆかたを探すのがベスト?

A. まずはデパートの呉服売り場が気楽!

 

反物も仕立て上がりも、ともにたくさん置いてあるデパートはやっぱり便利。いきなり呉服店に飛び込むのは勇気がいるし、たいていの呉服店はいわば着物のセレクトショップなので、数をあまり置いていません。いろいろ見て自分の好みと似合うものを見つけたいビギナーなら、まずは数を見られるところがおすすめ。ちなみに、量販店などで数千円で売られているゆかたは、仕立てと縫製が粗いことがほとんど。一度洗うと元に戻らないという噂も・・・・・・。

 

Q5. 小柄な人は大きな柄のゆかたはNGですか? 体型や肌色で選ぶポイントは違いますか?

A. 身長は関係なし!顔立ちと雰囲気に合わせて

反物をあてて顔映りや全身の印象をチェック。そのため、すっきりとしたシルエットと衿元の服装で買いに行くのがポイントです。

何人ものゆかたショッピングにつきあったので実感を持って言えますが、身長は本当に関係ありません! 大きな柄、派手な色が似合う小柄さんもいれば、繊細な柄、シックな色こそ似合う大柄さんも。むしろ、顔立ちとその人の雰囲気で似合うものは決まるよう。肌色との相性をみるには、反物を顔の横に当ててみることが大事。比べてみると、絶対こっち!という色柄が見つかります。そして体型カバー問題は、着つけや仕立て方で解決しましょう。「好き」という気持ちで選んだもののほうが着ていて居心地いいですし、着る気にもなりますから。

<大きめ柄・派手色>
艶やかな大人のピンク。夜目にも映える大輪の花
<繊細な柄・シック>
しっとり粋すぎない優しい縞の着こなし

 

Q6. 初めて買うなら「お仕立て」と「仕立てあがり」どちらがオススメですか?

A.体型に合わて仕立てたゆかたは着付けもラクチン

手脚が長い、肩が張っている、胸が大きい・・・・・・といった悩みのない、標準的な体型であれば、「仕立て上がり」でもいいと思います。実際に羽織ることができるし、すぐに着られるので急ぎで必要なときは便利。「お仕立て」のいいところは、自分の体型ぴったりに作れるので、何よりも着つけがしやすい(という意味で、着慣れない初心者こそ実はおすすめだったりします)。そして反物の種類が色柄、素材ともに豊富なので、好みのものが見つかりやすいのです。ちなみに、下駄もぜひお誂えを! 自分の足に合わせて鼻緒をすげてくれるので、すれて悩むことはほとんどなく、いつでも調整してもらえます。
 

 
<新刊紹介>

『大人のゆかた スタイルブック 似合う1枚が見つかる。きれいに着こなす。』秋月洋子・著 ¥1500(税別)・講談社

「今年の夏こそゆかたを着たい」けど踏み出せない……と毎年思っている人へ。今さら聞けない超基本的なことから、“上級者”と思わせる合わせの提案まで、この一冊で一気にゆかた通になれること間違いなしです。豊富に掲載されているコーディネートの写真を見るだけでもワクワク!


秋月洋子(あきづき ようこ)
着物スタイリスト。広告代理店勤務を経て、「衣裳らくや」の店主、石田節子氏に師事。5年半にわたり、着物に関する知識、スタイリングや着つけを学び、2003年に独立。雑誌や書籍のほか、テレビ、CM、映画等においてスタイリングや着つけ、記事執筆等を手掛ける。着物まわりの小物ブランド「れん」、オリジナルデザインの帯留めブランド「九九」など商品プロデュースも手掛けており、いま最も人気の着物スタイリストのひとり。書家としての側面も持ち、自筆の書をデザインに取り入れた着物や帯も手掛けている


ゆかたと帯、下駄を新調したところで、気になるのはバッグ、下着などもゆかた用のものを買い揃えないとダメですか?という「小物問題」。
次回は、「ゆかたに合わせる小物」をご紹介します!

第1回「どこまでOK? ゆかたのドレスコード」はこちら>>

写真は『大人のゆかた スタイルブック』より 文/山本忍 構成/川端里恵(編集部)