こんにちは、編集・川端です。
昨年のノンフィクションジャンルの大ベストセラーのひとつ、中野信子さんの『サイコパス』。それに続く最新作『シャーデンフロイデ』を読みました。

妬ましいと思っていた相手が不幸になったときに感じる快感=シャーデンフロイデについて分析した新書。やだ怖い。

“文春砲”の例を挙げるまでもなく、不倫、不適切な発言、不謹慎……昨日まで人気者だった人が一夜で“国民の敵”になる現象がこのところ多数ありました。

「目立つあいつ」「1人だけズルしてトクをしていた誰か」が不幸になったとき、「ほれみたことか」、「調子にのってるからだ」思う快感(ドーパミンが出る)、これをシャーデンフロイデというのだそうです。

もうひとつ興味深い言葉に「オーバーサンクション」というのが出てきます。サンクションとは「制裁」。集団の輪を乱す、規律を守らない、異質なものに対して「制裁を加えなくては」という衝動は、人間の生存本能として備わっているそう。

集団を守ろうという協調性が高い人、そして正義感が強い人ほど、輪を乱すものに対して糾弾したり、制裁を加える度合いが強くでやすい。

ベッキーさんが不倫した相手は自分の夫ではないし、震災にあったわけでもないのに、過剰に糾弾する人、それを報道するテレビやネットニュースなどに対して、かなり遠巻きにみていました。

でも、例えば、小・中学生の頃、ズルをする子を糾弾したり、率先して先生に言いつけたりするタイプではなかったけれど、掃除をサボって遊んでた男子がコケるとか、綺麗で先輩にもモテる同級生がスカートが短いと先生に怒られたりすると「いい気味だわ」と密かに思うことはあったように思います。それに近い感情は大人になってもありますね、正直なところ(汗)。

バリ島では日没を毎日見ることができました。この本の話を編集長にも。「バタは誰のことも羨ましいと思ってないでしょう」と言われたけれど、そ、そんなことはないと思う。むっつりスケベじゃなくて、むっつりウラヤマみたいな。

SNSなどで羨ましい状況も目にしやすくなっているし、他人の生々しい負の感情に触れたり、簡単にサンクションできたりする状況でもありますね。

この本は「シャーデンフロイデ」や「オーバーサンクション」が起こってしまう人間のサガを解き明かしながら、そういう性分は誰にでもあることを自覚させてくれます。

中野信子さんの文章は本当にわかりやすくてテンポがいいですね。一度、講演会なども行ってみたいなあ。

ではではまた〜。