今回の舞台「またここか」は坂元裕二さんの独特な世界を表現するに相応しい個性的なキャスティングが見どころの一つです。

 

主演の吉村界人さんは今回が初舞台。最近ではドラマや映画でも目覚ましい活躍が気になる役者さんのお一人。主人公のキャラクターは優しさと猟奇的な危うさが表裏一体となる難しいキャラクターです。

 

初めてということもあって、舞台の稽古中は演出を務める豊原功補さんから何度もダメ出しが出る中、必死に戦っている姿がとても印象的でした。決して器用なタイプとは思えませんが、だからこそ、間違いなく彼しか出せない魅力に引き込まれます。

 

小園茉奈さんはナイロン100℃でご活躍中。笑顔とくりっとした目がとてもチャーミングな女優さんです。今回の役どころはどこか打算的ながら前向きに頑張るイマドキアルバイター。個性的におもしろ可笑しく演じ、舞台でのはじけっぷりは、さすが場数踏んであるだけあります!

 

主人公と危うくも独特な関係性を築き、どこか影のある看護師役には、映画「あゞ荒野」で一躍注目を浴びた木下あかりさん。彼女の魅力はちょっとそっとでは動じない強さや頭の良さ。本人と話すと普通の20代の女子なのですが、舞台に立つとどこか妖艶さを放つ魅力的な女優さんです。

 

そして若いメンバーの中で重厚な演技力で魅せてくれる、主人公の義兄役を演じた岡部たかしさん。坂元さんならではの超絶長ゼリフをこなし、独特な存在感と圧倒的な安定感で皆んなを引っ張り上げてくれた、まさにこの舞台の要と言っても良いくらいの存在。

 

日を追う毎に彼らの姿が違和感なくその物語に溶け込み、作品に魂が宿るのを感じます。

そして舞台はまさにナマもの。

演じる側とオーディエンスの空気感と一体になり、独特な緊張感に包まれながらもその空気に酔いしれることが舞台の醍醐味です。

テレビとは違った坂元作品のおもしろさをぜひ味わっていただきたい、そんな舞台です。

今回は舞台だけでなく、こちらの本も大人気。一つ一つに坂元さんの直筆サイン入りです。(左)脚本家 坂元裕二(ギャンビット出版)(中)またここか パンフレット(右)戯曲本『またここか 』(リトルモア)
人気で手に入りづらくなっていますが、当日チケットのご用意もあります!