ここ数週間、世間の注目を集めている東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗元会長の発言をめぐり2月16日、ネット署名運動有志一同が、集まった署名を東京オリンピック・パラリンピック組織委員会へ提出。15万人以上となった賛同者の思いを届けました。

森氏発言に15万の署名を集めた20代発起人が「母親世代の女性たちに伝えたいこと」_img0
署名提出後の記者会見で。左から署名賛同人の疋田万理さん(株式会社SPICY代表 / mimosas代表)、発起人の能條桃子さん(一般社団法人NO YOUTH NO JAPAN代表理事)、賛同人の鶴田七瀬さん(一般社団法人ソウレッジ代表) 、賛同人の櫻井彩乃さん(#男女共同参画ってなんですかプロジェクト代表) 

署名運動「女性蔑視発言「女性入る会議は時間かかる」森喜朗会長の処遇の検討および再発防止を求めます #ジェンダー平等をレガシーに」の発起人となったのは、#なんでないのプロジェクト代表、福田和子さん、一般社団法人Voice Up Japan代表理事の山本和奈さん、一般社団法人NO YOUTH NO JAPAN代表理事の能條桃子さんの3名(福田さん、山本さんは海外在住のため会見にはオンラインで参加していました)。

 

きっかけとなったのは、今年日本上陸し話題の音声SNS「クラブハウス」でした。2月3日の日本オリンピック委員会(JOC)の評議委員会における森氏の発言(「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかります」「女性の理事を増やしていく場合は、発言時間をある程度、規制をしないとなかなか終わらないので困ると言っておられた。だれが言ったとは言わないが」)を報道で知った福田和子さんが、クラブハウスに話し合う場を作ったところ、参加者から次々に声が上がりました。終了後、その場にいた能條さんから連絡があり、その後山本さんも誘い、署名運動がスタートします。

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「なぜ署名運動を始めようと思ったかというと、個々が声を上げることも重要だけれども、それだけでは届いて欲しい人に届かないと思ったからです。署名を集めることでみんなの声を可視化し、何が問題であったかを、きちんと届けたかった」(福田さん)

彼女たちの運動は開始直後から話題となり、メディアでも多く取り上げられました。その後森氏は謝罪会見をするも留任を表明。謝罪会見後も批判の声は止むことはなく、結局2月12日、森氏は一連の発言の責任を取り辞任を表明しました。

2月16日、集まった署名は組織委員会に提出されました。彼女たちがこのタイミングで署名を提出したのは「森氏個人の問題で終わりにするのではなく、このような発言を容認してきた社会全体の問題と捉えてほしかった」(福田さん)。また、「今回組織委員会の方々とお話し、組織委員会としては森氏の発言を”女性蔑視発言であった”と認識されていて、それは良かったと思っています。再発防止として、スタッフの方々だけでなく、経営陣などトップの方々も学ぶ機会が必要」(能條さん)と、これで終わりにするのではなく、今後再発に向けて具体的にどう行動していくのかを注視したいと語りました。当日は署名を提出するだけでなく、1.再発防止のための取り組み 2.女性理事の割合4割達成 3.透明性のある組織運営 の3点を求めた提案書も提出しました。

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2月16日(火)署名後に行われた記者会見の模様
 
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