皆さん、こんにちは。梅津奏です。

アウトドア、お好きですか?
私はあまりお好きではありません…でした。昨年、コロナ禍になるまでは。

家に、東京に閉じ込められ、都会の「密」度を改めて実感。同時に、これまで無意識に押し込めていたらしい「密」に対する嫌悪感を自覚し、「広々とした空気の良いところで深呼吸したい!」と渇望するようになった私。


そんな私が向かったのが山でした。

職場に山登り好きで面倒見のいい同僚がいて、体力に自信のない私でも大丈夫そうな山から連れて行ってもらうようになりました。標高1,000m前後の山から始めて、いつの間にやら北アルプスの燕岳(標高2,763m)もなんとか踏破。消費欲が減退した2020年、一番お金を使ったのは間違いなく山グッズです(笑)

今まで履いていた靴は底が剥がれかけている為、新調した登山靴。早くデビューさせたいなあ…。次に山に行けるのはいつになるんだろう。

 

さて今日は、山登りに関する本をご紹介します。クロウト向けのディープな本ではなく、山登りをしない人も気楽に楽しめる本を選びました♪


「森へ行く日」光野桃

 

光野桃さんが好きすぎて、ブログ登場三回目です。ファッションに関する著作の多い光野さんですが、こちらは50代から始めたという「森歩き」について。


森は必要だ。わたしが生きていく上で。
わたしは森に入り、森と同化し、一度その魔法にかけられ、それまでの自分を消される必要がある。そしてシンプルな生き物として再生するのだ。


目標を立てて自分を追い込み、体力に任せて突き進む生き方から解放されたい。そんな思いから森に行くようになったという光野さん。東京近郊の歩きやすい山(普段履きのスニーカーで気軽に行けます)から、少し足を伸ばしたところにある魅力的な山まで、計11か所が紹介されています。


なによりも、疲れきった周りの女友達たちを、森へ誘いたいと願った。とにかく一度、パンプスを脱いで、森へおいでよ。ここに来て、深呼吸してごらん。


光野さんの美しいエッセイが中心ですが、ガイドブック的な情報や森ファッションの提案、森ご飯などについてのコラムも。とても読みやすく美しい本なので、日々頑張っている友人へのプレゼントにしたいような一冊です。


「山女日記」湊かなえ

 

「イヤミスの女王」湊かなえさんの山小説。珍しくミステリー色の無い、読後感の爽やかな連作長編です。ドロドロした小説が苦手な母にも勧めましたが、とても楽しく読めたそうです。

「本当にあの人と結婚していいの?」
「なんでお姉ちゃんと分かり合えないんだろう」
「熱く目標に向かっていたあの頃の気持ちを取り戻したい」

一作ごと舞台になっている山(妙高山、槍ヶ岳、金時山等)は、中級者以上向けかな?という印象ですが、登場人物はほぼ初心者。色々な事情を抱えた女性たちが山に登り、山頂で何かが見えてきたりこなかったり。登山シーンのリアルさは、湊さん自身が山岳部出身であることが大きいのかと。


「靴を選びながら、美津子さんて、意外と山が似合うんじゃないかと思ったんです」


私は、「火打山」のエピソードが一番好き。美津子さんのような誇り高い女性に憧れるし、こんなこと言われたら一瞬で恋に落ちちゃう。


「バッグをザックに持ち替えて」唯川恵

 

昨年山登りを始めた頃、本屋をパトロールしていて見付けた本です。恋愛小説の書き手として有名な唯川さんが山登り?なんだかイメージと違うなあと首をかしげながら購入しました。


その年の二月に還暦を迎えた私が、まさかエベレスト街道を歩き、五000メートル級の山に登ろうとするなんて考えてもいなかった。


飼い犬の健康の為に、夫婦で軽井沢に移住した唯川さん。小説のネタにする為に浅間山に登り、あえなく途中で断念し下山。


もう、二度と山には登らない。


そんな最悪の登山経験から始まったのに、どうしてエベレスト街道に向かおうというクライマックスに繋がるのでしょうか。「リーダー」と呼ぶご主人(登山経験有り)との師弟関係のようなユーモラスなやりとりや、登山家の田部井淳子さんとの出会いも絡め、小説のような味わいのあるエッセイです。

 

こんな感じでしょうか。

どれも、山にもアウトドアにもなじみのない(かつての私のような)女性にぴったりの本だと思います。

今の情勢では、外出を推進するのは控えなければなりませんが…。光野さんの本を愛でている内に森に行ってみたくなり、行ってみたらあまりのリフレッシュ感に味を占めて少しずつ標高を伸ばしていき、登るたびに湊さんの本と照らし合わせて共感で膝を叩きまくり、いつの間にか唯川さんの本を真剣に読み込み高山へのチャレンジをもくろみ始める…みたいになったりするかもしれません。

 

先日訪れた大山にて。ミツマタの群生地は壮観!
カメラロールにはこんな写真も。ちょっとした鎖場(垂れ下がる鎖につかまりながら登る場所)でビビりまくり、登った後に「心臓が痛い…」と座り込んだ私。(撮影者爆笑中)
へっぽこ写真② 金峰山のラストスパートは結構ヘビーな(私にとっては)岩場。心を無にしてなんとか登り切り、頂上についたところで腰が抜ける私。(撮影者爆笑中)