年齢を重ねるごとに魅力を増すスタイリストの大草直子さん。多くの人やものとの出会いから学び、お手本とする素直な生き方が新たな気づきをくれるとか。人生の第二のステージをより豊かに前向きにする秘訣を聞いてみました。
 

魅力的な資源と人に出会い
嬉野の地が好きになった

 

「若手のころが第1のキャリアのステージだとして、40歳くらいからが第2のステージ、そして70歳からが第3のステージだと捉えています」と話す大草さんは、いくつになっても、どんなときでも学ぶ姿勢を忘れません。

最近も、仕事で滞在した老舗旅館で「学びとなる出会い」があったとか。

「佐賀県の嬉野温泉に仕事で行ったことがあって。創業70年以上の老舗旅館「和多屋別荘」の3代目である小原嘉元さんは、古き良きものを残しながらも新たな試みにチャレンジしていて、刺激を受けた一人です。

驚いたのが、足を運ぶたびに旅館内がどんどん変わっていくこと! たとえば、『ピエール・エルメ』のショップを県内で初めて旅館内に作って、オリジナルマカロンを販売したり。その変化の様子を見るために、何度も足を運びたくなってしまうほど。小原さんのアイデアとフットワークの軽さ、ビジネスの向き合い方など、お手本にしたい部分がたくさんあります」(大草さん)

それにしても、小原さんは男性で、大草さんより年下でもあります。学びの対象に性別も年齢も関係ないんですね、と尋ねたところーー。

「40歳を過ぎればみんな同い年よ! そもそも、あまり人の年齢や性別で気にしたことはないですね。ダイナミックに動きながらも、鳥の目というか、物事を俯瞰で見ることができる男性には、お手本にしたい要素がたくさんあります。どんな出会いからも学びは得られるんです」

との答えが。いくつになっても学び続け、多くの人のいいところを見つけて、自分のお手本とする。大草さんがいつまでも輝き続ける理由がここにありました。

和多屋別荘の3代目・小原嘉元さん。ウェブ制作会社を起業後、コンサル会社で働くなど異色の経歴を持ちます。
和多屋別荘の敷地内には2つの宿があります。写真は鍋島藩の別邸を移築して造った「洗心の間」を含む小宿「水明荘」の一室。
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