「年齢を重ねてもずっと着続けたい定番アイテムがある」と話すスタイリストの大草直子さん。いまの気分を取り入れながら新鮮に着こなすための方法を教えてもらいました。


「機能美」に惚れ込んだ
トレンチを12年間愛用中

トレンチコート/アクアスキュータム、ニット/ブラミンク、デニムパンツ/リーバイス、バッグ/ザ ストア バイシー、サンダル/ヴァレンティノ、ピアス/ボン マジック、リング(左手人さし指)/マディソンブルー、リング(左手薬指、ゴールド)/マルコム ベッツ、リング(左手薬指、シルバー)/アスプレイ、時計/カルティエ(すべて大草直子さん私物)


大草さんがトレンチコートに目覚めたのは38歳のとき。

「それまでもトレンチコートは着ていましたけど、いわゆるイギリス発の正統派トレンチコートの魅力に初めて気づいたんですよね。それは雑誌『グラツィア』(講談社刊。現在は休刊)で、8ページ8カットのような贅沢な写真の使い方でトレンチコートを紹介する企画を組むことになって、スタイリストとして40〜50着ものトレンチコートを集めたことがきっかけでした。

トレンチは第一次世界大戦時にイギリス軍が開発したものが原型で、正統派のものは当時のディテールが踏襲されています。たとえば、腰のベルトには手榴弾をぶら下げるための『Dカン』と呼ばれるリングがついていたり、えりの部分には雨風をしのぐための小さなベルト『スロートラッチ』がついていたり。

他にも様々なパーツがついているし、防水加工も施されている。そのディテールと『用の美』みたいなものにすごく惹かれたんです」(大草さん)

 

企画のために50着近くものトレンチコートを集めた大草さんでしたが、特に素敵だと感じたのがイギリスのブランド「アクアスキュータム」のものだったそう。伝統的なブランドならではの美しい作り込みに心を奪われたのだとか。

そうしてこの撮影から程なくして、大草さんはプライベートでもアクアスキュータムのトレンチ(写真のもの)を手に入れました。

「これ、もう12年着ているんです。すごく丈夫で、くたびれた感じもありません。私が持っている服のなかで、こんなに長いこと着ているのはこのコートくらい!」(大草さん)

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