新卒入社した会社に「骨をうずめる」時代は終わった

 

――「新卒一括採用」という制度が変わる可能性はありますか。

新卒一括採用を変更するファーストペンギン的な企業が各業界に出てきて、業績が良くなるなどの成功パターンが見られれば変化が起こるかもしれません。ただし成功パターンが1社のみでは大きい変化は難しいとも感じます。

こうした話をする時、学校の教育制度も考える必要があると思います。小学校から高校、大学まで入れると約16年、決められたタイムラインで物事が進んでいきますよね。その後、新卒で大企業に入社すれば、大体8年間の育成プランが出来上がっている。昔はそれでもよかったのでしょうが、今は商品やサービスの流行り廃りが早く、トレンドの寿命は1年も持ちません。そんな中、教育や就活システムだけが過去のやり方を保守的に守り続けているのは、間違いなく限界があるでしょう。

ただコロナ禍では、そうしたガチガチに決められていた社会システムがいい意味で崩れてきた部分はあると思います。組織から個人に力点が移ってきているのは、現場にいても実感していることですね。

 

***

第二新卒/既卒はやはり新卒に比べれば圧倒的に不利。さらに中途市場で戦うにはキャリアが足りないという、なんとも宙ぶらりんな存在です。それでも「第二新卒」という言葉すらなかった時代に比べれば、少しずつ企業が持つ印象も変わってきている、とUZUZの川畑さんは教えてくれました。

働き方も多様化し、新卒入社した会社に骨をうずめるのが当たり前という常識も崩れてきました。私たちも一度「新卒一括採用至上主義」という常識を疑ってみてもいいでのはないでしょうか。

そして、新卒入社でうまくいかなくても、次のチャンスがある。挑戦したいと思ったら何歳からでも新しいチャレンジができる。そんな社会になってほしいと願うばかりです。


取材・文/ヒオカ
構成/金澤英恵

 

前回記事「教育は「課金制」の現実は変えられないのか?ドラマ『ユニコーンに乗って』が問いかけること」>>