今季のドラマは一部で「低視聴率」「面白くない」なんて言われていますが、様々なトラブルにでこぼこコンビが立ち向かうリーガルドラマ『石子と羽男』(TBS系)や、リノベーションでお客様の困りごとを解決していく『魔法のリノベ』(フジテレビ系)など、とても丁寧に描かれたドラマが多く、筆者は毎回楽しみにしています。
その中でも熱いのがドラマ『ユニコーンに乗って』(TBS系)!
EdTech(エドテック)分野(Education[教育]とTechnology[技術]を組み合わせた造語)のスタートアップ企業「ドリームポニー」のCEO・成川佐奈(永野芽郁)が、仲間たちと共に誰でもどこでも学べるアプリ「スタディーポニーキャンパス」の開発を通して、教育格差をなくすために奮闘する物語です。
「教育とお金」の深刻な課題
すごく正直にいうと最初は、“若者が仕事して恋して青春して♪”みたいなありがちなドラマなんだろうな、と思っていました。でもいい意味で裏切られました。毎回考えさせられるストーリー、さらに俳優陣の演技も圧巻で、8話での森本海斗役の坂東龍汰さんの演技には泣かされました。
このドラマが問いかけるのは、
「教育は課金制で本当にいいのか」
「教育は課金制の現実は変えられないのか」
という、壮大で深刻なものだと筆者は感じ取っています。
とても印象的だったのが6話での出来事。スタディーポニーキャンパスの開発を巡り、メンバー同士で意見の対立がありました。アプリを開発するには巨額の資金が必要。そのために、アプリに「課金制」を導入するかどうかの選択を迫られることに。佐奈以外のメンバーは、須崎功(杉野遥亮)をはじめ、会社のためなら課金制の導入はやむを得ないという意見でした。
しかし、唯一佐奈と同じく課金制の導入に反対したのが、小鳥智志(西島秀俊)でした。佐奈と小鳥には、家計が苦しい家庭で育ったという共通のバックグラウンドがあったのです。佐奈は母子家庭で育ち、貧しかったため大学進学を諦めた過去がありました。そんな境遇から、「全ての人が平等に学べる場所を作る」という夢を抱き、起業したのです。
ITの力で全ての人が平等に学べる場所を――奮闘する“ドリポニ”メンバーたち
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ドラマ『ユニコーンに乗って』より/撮影:加藤春日
©TBS スパークル/TBS
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