素読みのコツ

 

牟田さんは、普段2時間で読める本も、校正するときは素読みだけで1週間かかるそうです。素読みは、普通の読書と違い、文字を1文字、1文字、漢字は点の有無まで見るので、読むと言うよりは見るに近いそう。

たとえば「mi-mollet」であれば、mがあって、iがあって、ハイフンがあって、というように、大文字ではなくて小文字で良いのかなど、1文字1文字を丁寧に見ていきます。

 

人の記憶って危ないもの。どんなに良く知っているものごとでも、ケアレスミスをする。絶対間違えない人はいません。どんなに自分が知っていることでも、必ず実物を見てチェックしていきます。

校正って、本人の注意深さとか、向き不向きとかなくはないが、基本的に身につけられる技術。誰でも心掛けて、回数を重ねていけば、気がつけ、拾えるようになる技術。どうすれば身につけられるようになるか。


まず、辞書と仲良くなること

 

この言葉、この使い方で合ってるのかなという時はすぐに引く。すぐ引けるように、辞書はいついかなる時でも手元に置いておくのが基本。引き慣れてくると、引くのが億劫じゃなくなる。校閲部は、大ベテランほど辞書を引いてる。良く知っている言葉でも一度は引いて欲しいです。

言葉とか価値観はどんどん変わっていくものなので、これで大丈夫というゴールは正直ないのではと思います。常に移り変わっていくものだと思って、自分自身もそれに合わせて常に更新していく気持ちでいるしかない。

 

この後、牟田さんをはじめ、ミモレ編集部の皆さんが惜しげもなく、今でも思い出すと震える失敗談をご紹介して下さいました。まるでドラマのような内容に、盛り上がります。皆さん口を揃えていうのは「失敗は学びの宝庫」


校正に使っている辞書・事典、参考になるウェブサイト

 
 

わたしが好きなのは写真左の明鏡国語辞典。できれば2種類1度に買ってください。2種類比べると違いが良くわかるからです。

最後に。

書くということに怯えられたら申し訳ないなという気持ちがすごくありますが、「読む力」は「書く力」毎日一生懸命、何かを読んで書く。書いては読む。の繰り返しほど、考える力を鍛えるのに、これ以上のトレーニングはないと思っています。

言葉って怖さもありますが、ある意味ものすごく人を力づけたり、助けたりすることもできるものなので、是非皆さん言葉と仲良くなって、怖がらずに読むことと書くことを繰り返して頂けたらいいなとすごくすごく思ってます。と締めくくりました。

いかがだったでしょうか。〔ミモレ編集室〕では、辞書を買う人、続出中です。26日より、新規メンバー募集スタートします!