現在mi-mollet STOREで販売中、パリ生まれのバッグブランド「フランソワ レニエ(FRANCOIS RENIER)」のトートバッグ。バイイングディレクターのスタイリスト福田麻琴さんが以前より愛用されていて、使っていく中で、ミモレ読者がより使いやすいように別注したのが今回のバッグです。どんなブランドなの? 別注のこだわりは? フランス・パリ8区ラスパイユ通りにあるショップにて、ブランド設立者であり、デザイナーのフランソワ・レニエ氏に福田麻琴さんがお話を聞いてきました!

高級レザーのバッグから紙のバッグまで! 柔軟な発想が魅力の「フランソワ レニエ」

デザイナーのフランソワ・レニエ氏(右)と、スタイリスト福田麻琴さんがパリ8区にあるショップにて対面! 中央にあるのが、ミモレストアで別注したトートバッグです!

バッグ専門ブランド「フランソワ レニエ」は25年前の1998年にパリで誕生。一貫して、高級で上質なレザーを用いたバッグを作り続けていますが、そこにこだわりすぎることなく、柔軟な発想でさまざまなバッグを生み出しています。

「ブランド設立から間もない頃、ショッパーのような紙のバッグにレザーの持ち手を自由に選んでつけることができるバッグを発表しました。それが多くの人に支持されたんです。ラスパイユの店舗の壁一面に飾ってあるのが、その紙のバッグです。そんな経験から、僕の作るバッグは自在に組み合わせができるものが多いし、ひとつの型でも色のバリエーションが豊富。選択肢を多くすることで、できるだけ持つ人の気持ちにフィットして、愛してもらえるバッグを届けたいと考えています」とデザイナーのフランソワ・レニエ氏は話します。

現在、紙のショッパーは販売していませんが、持ち手を自由に選べるレザーのトートバッグは展開中(パリの店舗のみ)。写真はずらりと持ち手のみが並んだ引き出し。


きれいめスタイルにも合う「トートバッグ」を別注。使い勝手とおしゃれを両立したこだわりポイントとは?


そんな中、2019年からスタートしたのが、今回のミモレ別注バッグのベースとなったファブリックを使ったトートバッグ。そのバッグとの出会いを福田麻琴さんが振り返ります。

「トートバッグといえば、丈夫なキャンバス地で、色もナチュラルなオフホワイトに鮮やかなブルーやグリーンといったカジュアルなものが多いですよね。丈夫だし、荷物も入るし、洗えるので、気を使わずに持つこともできるけれど、やっぱりカジュアル専用。でも、フランソワ レニエのトートバッグを初めてみたときに、配色も生地もフォルムも、ほどよくきれいめで”これは通勤にも使ってもらえる!”と思ったんです」

ミモレで別注したトートバッグ。肩掛けできる長めに設定した持ち手がポイント。フランソワ レニエのトートバッグ¥36300/mi-mollet STORE  素材:ポリエステル70% ポリウレタン30% 色:キャンバス(ボディ)、ダークブラウン(持ち手) サイズ(本体)幅:約35cm 高さ:約30cm マチ:約13cm 原産国:フランス

最初に福田さんが手にしたというフランソワ レニエのトートバッグも、今回の別注のバッグと同じく、ベースは同じファブリック素材。ソファなどにも使われるというインテリアファブリックで、自立するくらいにしっかりとしていながら表面は滑らか。色はベージュとグレーの間のようなニュアンスカラーです。下記の写真で見るとわかる通り、トートバッグは、持ち手の色のバリエーションがとても豊富ですが、その中で福田さんが選んだのがこっくりとしたブラウンです。

フランソワ レニエのトートバッグはしっかりとマチがあり、収納力もありますが、マチを折り畳むことができるので収納するときにも場所をとりません。

「こっくりとしたブラウンの持ち手は、ベースとなじみがよく、黒ほど強くはないけれど、ちゃんと着こなしの引き締め役というかアクセントにもなってくれるんですよね。きれいめなバッグですが、防水加工が施されているので、ちょっとした雨なら問題ないですし、汚れもつきにくい。デイリーに気軽に使うには大切なポイントですよね」(福田さん)

そして別注をオーダーするにあたって福田さんがこだわったのが、マチと持ち手。

「パッと正面から見ると、わりと小さく見えるんですが、マチ幅があり、高さもあるので、ノートPCやiPadも余裕で入ります。見た目はコンパクトなのに容量はしっかり。小柄な方でも持ちやすいと思いますよ。そしてジャケットやコートを着る時期でも肩掛けできる持ち手の長さにして欲しいというお願いもしました。色や素材だけでなく、持ち手の長さなども細やかにオーダーに応えてくれたのは、自由に組み合わせて使って欲しいというブランド設立当初からの理念があったからなのだなと、今回取材させていただいてよくわかりました」(福田さん)

フランス語でのコミュニケーションですっかり打ち解けたフランソワ・レニエ氏と福田さん。「色のバリエーションが豊富だからなのか、黒のバッグが少ない印象です」(福田さん)「僕は黒も好きなんだけど、一緒にブランドを運営している妻のソフィが『黒よりもきれいな色を持って欲しい』と言うポリシーの持ち主だから黒が少ないんだ(笑)」(フランソワ)
ラスパイユ通りのショップ前にて、フランソワ&ソフィのレニエ夫妻。撮影当日は、赤が基調のバッグでディスプレイ。赤だけでもファブリックのトートバッグ、レザーのハンドバッグやクラッチ、トートなどデザインのバリエーションも豊か。

フランソワ レニエでの取材を終えた福田さんがこう話します。

「ショップ取材のあとにフランソワのアトリエにお邪魔したのですが、過去のコレクションがすべて大切に保管されていましたし、アイデアソースにしているのであろう、さまざまな物があって。散らかったデスクにスタッフが苦笑いしていました(笑)。そんな柔軟な発想の持ち主で、自身が作るバッグへの愛が溢れるフランソワ。そしてバッグをファッションの一部として、その魅力をお客さんに届ける奥さんのソフィ。このふたりがいてこそフランソワ レニエというブランドなのだな、と思いました。お二人の人柄に触れ、ますますバッグのファンになりました。パリの店舗にしかないレザーのバッグも本当に素敵だったので、いつか皆さんにも見て欲しい!」

過去に実際に販売されていた、紙の本体とレザーの持ち手を組み合わせたバッグをアトリエで発見したので記念に一枚。スタッフの方いわく「可愛いのでひとつ欲しい!と言ったんですが、僕の大切なコレクションだからダメと断られました(笑)」とのこと。

フランソワ・レニエ氏のバッグへの愛情と福田さんの細やかなアイデアから生まれた、ミモレ別注のトートバッグは、期間限定での販売です。お届けは2024年の春頃。ニュアンスカラーがベースのバッグは、春コーデはもちろん、季節問わずに使えます。気になった方は、ぜひ下記の商品詳細からチェックして下さいね。

撮影/新村真理
出演・スタイリング/福田麻琴
構成・文/幸山梨奈