今はSNSでだれでも情報を発信できる時代。あなたが知りたかった情報は、誰かがもうネットの海で発信しているかも。本特集は、ミモレ編集部から「新たな視点を得ることができる」「癒しになる」「知らない世界のリアルがわかる」情報をSNSで発信し、密かにバズっている人=「バズり人(びと)」さんのSNSアカウントをご紹介します。

第十回は、抜け毛に良い食材や習慣などをX(旧Twitter)で日々発信し続ける「てまり@髪と心の薬膳」さんにインタビューしました。
てまりさんは、闘病による脱毛をきっかけに『病気になりにくい体作り』を志し、毛髪診断士・国際中医薬膳師などの資格を取得し、現在はコラム執筆や、SNSを通して『体質別の毛髪&頭皮のお悩みアドバイス』、心と体がラクになる”中医学メソッド”などを発信しています。

 


更年期の抜け毛には山芋、長芋などの「体を潤す食材」がいい


――X(旧Twitter)でポスト(投稿)し始めたきっかけはなんだったのでしょうか。

てまりさん:私自身が髪が抜けてしまうという経験があったからこそ、抜け毛で悩む人の力になりたいと思ったのがきっかけです。

あと、発毛クリニックなどに勤めていた時、リアルな世界ではオープンに言えないけれど、髪の悩みを持っている人が多いんだなと思ったからです。SNSの世界なら、そんな悩みを持っている人たちに「悩んでいるのはあなた一人だけじゃないよ」という気持ちを届けられるんじゃないかなと思い、ポストをし始めました。

 

――抜け毛に良い習慣や食べ物、ケア方法があったら教えていただきたいです。

てまりさん:各々の抜け毛の種類や体質によって変わってはくるのですが、一般的にミドル世代の方は髪が細くなってくる「びまん性脱毛症」が増えてきます。

頭髪全体が徐々に薄くなっていく症状で、髪の密度が減り、地肌が透けてみえたり、分け目が目立ったり。全体的にボリュームが減ってしまったと感じる方が多いです。

そういった方に関しては、中医学で、 体や肌の老化に密接に関わっている腎(腎臓)を補う「黒い食べ物」をおすすめしています。黒豆、 黒ゴマ、黒きくらげ、ひじきなどです。


――ご自身が試してみて「これは抜け毛に良かった」という食べ物やケア方法などはありましたか。

てまりさん:私自身、疾患の関係もあって手足など体の末端の血液循環が悪かったんです。
末端の血液の巡りが悪いと、髪の毛にも栄養が届きにくく、細毛にもなってくると実感していたので、血の巡りが良くなる食材を取り入れていました。

サバ、イワシなどの青魚や、イカ、タマネギ、黒酢、ニラなどの食材を取り入れるようになってから、冷えが改善されましたし、髪の毛にも栄養が行くようになったのかな、というのは実感しました。


――抜け毛で悩んでいると、髪の毛にばかりフォーカスしてしまうので、血の巡りが良くなる食材を取り入れるというのは新しい視点かもしれません。特に更年期の抜け毛にはどんな食べ物がおすすめですか。

てまりさん:更年期になるとホットフラッシュなど、「上半身が熱くて下半身は冷える」という方が多くなります。上半身が熱いというのは、体内の潤いが少なくなり、体の中で火事と似たようなことが起こってる状態なんです。熱が上がってしまい、上半身にほてり、のぼせ、イライラ、乾燥が出てしまいます。人によっては上半身の一番上、髪が乾燥してしまう要因にもなってくるんです。そういった時には、ほてるからといって冷たい飲み物や食べ物を取り入れて冷やすより、山芋、長芋など「体を潤す食材」を取り入れるのがおすすめですよ。


――抜け毛だけでなく、頭皮が乾燥してフケが出る、逆に皮脂が多くてニキビのような吹き出物ができるというお悩みについても解消法があれば教えていただきたいです。

てまりさん:頭皮の乾燥に関しては、やはり先ほどと同じく、長芋、山芋などの潤す食材がいいと思います。すりおろしてとろろにして食べるのもおすすめです。

年齢とともに口が乾きやすくなるなど、加齢って乾燥との戦いでもあると思うんです。潤いが不足すると頭皮も乾燥して、白い乾燥性のフケが増える方が多いので、ミドル世代は、潤いを食事からも補ってあげるのが大切です。

頭皮の吹き出物については、頭皮の皮脂や臭いが気になると洗浄力の強いシャンプーでゴシゴシ洗う方もいると思うんですけれども、それはかえって頭皮を痛めたり、余分な皮脂が出る要因にもなってしまいます。

外側からのケアでいうと、シャンプー前にしっかりシャワーで予洗いをしてあげて、余分な皮脂をとってください。シャワーするだけでも、八割ぐらいの汚れが取れると言われているので。

内側、食事からのケアだと、吹き出物が出やすい方というのは、体の中に余分な熱が溜まりやすくなっているんです。なので、体の熱を冷ますワカメ、ヒジキなどの海藻類や、ゴボウ、アズキ、アサリなどの体の余分な熱を出すものを取り入れるのが良いかと思います。逆に、辛いものは控えてみてください。

 
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