抜けた毛に未練を残すより、次に生えてくる毛に目を向ける

――更年期の抜け毛で落ち込まない方法や、気の持ちようについて教えていただきたいです。

てまりさん:誰もが抜け毛が増えると不安になると思うんですよ。 ただ、抜けてしまった髪は戻ってこないんです。だからこそ、抜け毛に未練を持たないことが大切かなって、私は思っていまして。

以前、発毛クリニックでカウンセラーのお仕事をしていた時に、抜け毛の数を毎日数えて記録しているお客様がいらっしゃったんです。

もちろん記録するのが好きなら、数えていいと思うんですけれども、数えて落ち込むくらいなら、ささっと集めて捨てちゃうのがいいです。Xでもポストしたんですが、「抜けた毛に未練を残すより、次に生えてくる毛に目を向けること」。元彼に未練を残しているといつまでも前に進めないのと同じで、 「もっと素敵な人(髪)に出会える」と思って、日々の食生活や習慣に気をつけていく方向に目を向けると、落ち込むことも少なくなるかなって思います。

 

 

――想像以上に反響が大きかったポストはありますか?

てまりさん:最近だと、長芋ポテトサラダのレシピがすごく反響がありました。ポテトサラダは、ジャガイモから長芋にしてみて、というポストなんですけれども、長芋をポテトサラダに使うという意外性と、やはり白髪や頭皮の乾燥が気になる方が多いからかなと思いました。


あと、サバ缶の味噌汁も反響がありました。


――最後に、抜け毛や更年期の心身の変化に悩むミモレ世代に向けて、メッセージをお願いします。

てまりさん:私は「なりたい自分になるのに、遅すぎることはない」「回復力のある人生」をテーマに発信をしています。
抜け毛で悩んだというのもあるのですが、私自身、サルコーマ(悪性肉腫)や心不全、卵巣機能不全など、珍しい病気を経験したことも大きいんです。

今でこそ、こうやって元気に過ごしているんですけれど、一時期は点滴のみで生き長らえているような状況で、来年は迎えられないかも、というような状況下、病室での寝たきりや車椅子の生活をしていました。

だからこそ、いつかやりたいと思っていることを、先延ばしにするとそれをやれる日がもう来ないかもしれない、という人生観になったのもSNSで発信する原動力になりました。

私自身もそうですけども、どんなに予防し、気をつけていても、人間って本当に「まさかの坂」を転げ落ちる時があると思うんです。事故や病気、事件などで。

そんな「まさか」の時でも「これからの人生、どうしよう」って不安いっぱいで生きるよりも、人生の底じゃないですけど、「一番下まで行ったら上がるしかないな」と楽観的な思考をちょっと持てると、心身が少しずつ安定してくるのではないでしょうか。私はそう思っています。


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更年期のあの火照りは「体の中が火事になって乾燥しているような状態」だったとは驚きでした。抜け毛に対する「抜けた毛に未練を残すより、次に生えてくる毛に目を向ける」という言葉に、てまりさんの「回復力のある人生」というテーマを強く感じるインタビューでした。

「てまり@髪と心の薬膳」さんのX(旧Twitter)はこちら>>


次回の「SNSで見つけた『バズり人』さん」もお楽しみに!
 

写真/Shutterstock
構成・文/大槻由実子
編集/坂口彩

 

 

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