今はSNSでだれでも情報を発信できる時代。あなたが知りたかった情報は、誰かがもうネットの海で発信しているかも。本特集は、ミモレ編集部から「新たな視点を得ることができる」「癒しになる」「知らない世界のリアルがわかる」情報をSNSで発信し、密かにバズっている人=「バズり人(びと)」さんのSNSアカウントをご紹介します。

今回は、病気や加齢で変わってしまった容貌に悩む人の心を支える「カバーリングメイク」についてInstagramで日々発信し続ける「あおつきさん」にインタビューしました。
あおつきさんは、病気や加齢によるシミ・肝斑・アザ・傷跡などをカバーするカバーリングメイクを個人サロンで教えているだけでなく、介護美容研究所の福岡校で講師も担当しています。

 

――カバーリングメイクについて、Instagramで発信し始めたきっかけは何だったのでしょうか。

あおつきさん:今、私はカバーリングメイクのプライベート講座を行っているほか、介護美容研究所福岡校で講師もしています。カバーリングメイクは高齢の方や疾患がある方に行うものなのですが、私の家族も実はカバーメイクが必要な疾患があり、自分がカバーリングメイクを習ってみて、もっとこれを広めたいなと思ったのがきっかけです。


――カバーリングメイクとはそもそもどういうものなのでしょうか。普通のメイクとはどういった違いがあるのでしょう。

あおつきさん:カバーリングメイクというのは、傷やあざなどが顔や体にあったり、疾患で顔に色むらができた方など、消極的になる場面が増えて人前でお話しすることや外出しようという気持ちが向かない方に向けて、お伝えするメイク方法なんです。
「メイク」というと、華やかさや、若い人や健康な人たちがもっと美しくなれるというイメージにフォーカスが当たるんですけど、カバーリングメイクというのは、外見に違和感を感じたり、周囲の目を気にして自信がない方が自分の存在を受け入れて、自信を持っていくところの後押しをするメイクだと思っています。


――カバーリングメイクが心に与える効果とはどのようなものなのでしょうか。

あおつきさん:一例を出すと、疾患でアザをお持ちの方がいらっしゃったのですが、その方が素顔で在宅中、お客様に驚かれたそうなんです。ご本人からすると普通に素顔なのに相手の視線が気になり、ひどく気落ちしたそうです。そして、会う人会う人に気を遣われたり、驚かれたりしてしまうんですね。それが嫌でずっと素顔を隠すためにマスクをするようになっていたそうです。
でも、その方はカバーリングメイクを習われて、ご自分でメイクをして、お友達とお食事に行かれたり、マスクを取ってお話をすることが苦にならなくなったんです。前向きになれるということを体感されていました。

 

カバーリングメイクを習う皆さんは、「普通に戻りたい」「日常に戻りたい」っておっしゃるんです。なので、カバーリングメイクが心に与える効果というのは、「これまでの日常、社会に溶け込んだ時に違和感のない自分になれる」というところがまず1つのステップなんです。


顔に大きなシミがある高齢の方も「メイクをして若い頃に戻った」とおっしゃります。元々はそこに大きなシミはなかったわけですから、若い頃に戻ったってことなんですよね。若々しくなったご自分の姿を見て喜んでらっしゃいました。

――ご自身でカバーリングメイクのレッスンを受ければ、ご本人一人でもメイクができるようになるのでしょうか。

あおつきさん:はい。なるべく私はドラッグストアで買えるような、いわゆるプチプラコスメですね、セザンヌとかCANMAKEとか。そういう皆さんがちょっと自転車に乗って買いに行けるような化粧品で、なんとかカバーリングメイクに対応できるものを探したり、ご自身で再現できるような技術をお伝えするようにしてきています。日常で、ご自宅で再現できないと、やっぱりカバーリングメイクをしなくなってしまうんですよ。


――そうですよね。自分でカバーリングメイクを再現できないと、メイクをしてもらった時にはよくても、 先ほどおっしゃってた「日常に溶け込む」ということができなくなってしまいますよね。特別なものになってしまう。

あおつきさん:そうなんです。メイクの簡単なコツや「これだったら使える」と思える道具を一緒に探し出して「これなら私もできそう」と言われたことを実践していただいています。

 
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