信頼できるワケ①「「生活者」という根がある」

「私のものさし」を持つ女性5人の穏やかな魅力。私たちはなぜ、堀井美香さん・佐藤友子さんに惹かれるのか?_img0
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堀井美香さんは、2022年に50歳でTBSを退社。その後はフリーアナウンサーとして、ラジオや朗読会などで活躍しています。

今や堀井さんの代名詞になったのが、コラムニストのジェーン・スーさんと共にパーソナリティをつとめるPodcast番組「OVER THE SUN」

同世代の女性を中心に熱狂的な人気を誇り、今年1月にSHIBUYA LINE CUBEで開催されたリスナーイベントでは約2000人を動員する大人気番組。妙齢女性が抱えるモヤモヤに寄り添い、語り合い、最後には昇華させる、パーソナリティ二人のゆるくガチなトーク。スーさんと堀井さんのキャラクターと仲良しコンビ感も、番組の魅力の一つです。

 


堀井さんは、テレビ局のアナウンサーという華やかな経歴の持ち主。ともすれば反感や距離感を感じさせそうなところ、多くの女性たちの支持と信頼を集める理由はなんなのでしょうか。インタビューを読んで気づいたのは、秋田生まれ・現在は町田住まいの堀井さんの肩肘はらないリラックス感。

堀井さんはTBSにアナウンサーとして入社して2年目で結婚し、若くして出産されています。そのとき初めて、「東京の人の普通」と「堀井さんの普通」がずれているということに気づいたそう。また、麻布や青山のような場所に住む人が多い業界で、町田に家を構え、地域の人に助けられながら子育てしてきたというエピソードも。

身を置く業界の「普通」に染められずに、マイペースに地に足着けて生きる姿が、多くの「普通」の女性たちに心を寄せられている理由ではないでしょうか。


「北欧、暮らしの道具店」は、佐藤友子さんがお兄さんと運営するECサイト。生活雑貨や洋服以外にも、コラムやインタビュー動画・ドラマの配信まで、「暮らしを彩るもの」を幅広く扱っています。兄妹でほそぼそと始めた事業も今では大きく成長。2022年にはグロース市場に上場を果たしましたが、根底にあるものはずっと変わっていないとインタビューで佐藤さんは語っています。

自分は会社経営者とか働く女性である前に、生活者だという意識が本当にあるので。――『かざらないひと 「私のものさし」で私らしく生きるヒント』より

すべての事業の背景になっているのは、佐藤さん自身の暮らし、日々考えたり感じたりしていること。そしてそのことが、私たちが「北欧、暮らしの道具店」に心惹かれ、ついつい毎日のようにサイトをのぞいてしまう理由でもあるのでしょう。


信頼できるワケ②「人と関わりながら生きている」

「他人からの評価を気にせず、自分らしく生きる」というと、人と群れず・なれ合わずに生きる姿を想像してしまわないでしょうか。しかし堀井さんも佐藤さんも、たくさんの人に囲まれている姿が自然と思い浮かぶ女性です。

小さい頃から人としゃべるのは全然、苦ではなかったですね。警戒することも、人見知りすることもなく。基本的にあんまり人を敵と思ったことがないので、誰かのことを敵だとかライバルだとか、思ったことがないんですよね。――『かざらないひと 「私のものさし」で私らしく生きるヒント』より

堀井さんは『聴きポジのススメ』という著書を持つ、「人の話の聞く」プロ。アナウンサーやラジオのパーソナリティは、現場で多くの人と関わる仕事です。「相手を敵だと思わない」という堀井さんのスタンスが、人との摩擦から堀井さん自身を守っているのかもしれませんね。

一方佐藤さんも、多くの社員を抱える経営者であり、サイトを訪れる人の反応を積極的にくみ取りながら仕事をしています。

でも受け流せるタイプとは真逆の性格で、いろんなことに込められている気持ちをすべて真に受けちゃうんで…。それがいいところでもあるとしても、やっぱりもうちょっとスマートにできないものかと思うことはありますね。――『かざらないひと 「私のものさし」で私らしく生きるヒント』より

相手の言葉や反応をしっかり受け取ってしまうのは、より多くの人の、より心の深いところに届くコンテンツを……と願う気持ちから。佐藤さん自身の信念を大切にしつつも、愚直に「人の声」に耳を傾けようとするある種の不器用さは、佐藤さんの誠実さをあらわすようで、そこもまた彼女への「信頼」に繋がっていくのではないでしょうか。