今日もどこかでエアコン闘争。温度設定に思いやりを
その話を聞き、深刻なことになる前に、どうにかしなくては、という思いが強くなりました。先生と1対1の英語のコミュニケーションに限界を感じ、学務課に相談に行きました。高3のときエアコンで体調を大きく崩したこと、大学でもエアコンが強すぎてしんどいことを伝えました。学務課の職員は親身に話を聞いてくれました。
すると、次の授業から、部屋が冷え切ったら先生が一旦エアコンを弱にしてくれるようになりました。このおかげで、身の危険を感じるほどの寒さを感じることはなくなりました。
そして、時間と共にクーラー病は自然と治り、今では暑がりなくらいです。でも、やはり出かけた先でクーラーが効きすぎていることがあるので、上着を持ち歩くようにしています。
こういった経験から、「暑い人はこれ以上脱げない。寒い人は上着を着ればいいのだから、寒い人が我慢して暑い人に合わせればいい」という意見には反対です。どれだけ上着を着ても、極端に低い設定温度のエアコンの風に当たり続けると、体がおかしくなってしまいます。様々な全身症状に襲われ、生活がままならなくなることもあるのです。もちろん寒いと感じる側も上着を着るなど対策はしたほうがいいです。でも、双方歩み寄ることが必要だと思います。
オフィスの冷房の効きすぎに悩む人も多いこの季節。産業医も務めるめじろ内科クリニックの久野伸夫先生によると、「事務所衛生基準規則(厚生労働省)では、適切な室温は18〜28度、湿度40〜70%と設定されています。在籍者の1割以上が暑いあるいは寒いと訴える時は室温の調節が必要ですが、1割未満の場合は各自で調節することが勧められています。エアコン設定温度は室温と乖離していますので、必ず室温を測定して参考にしてください」とのこと。
熱中症にならないためにも、エアコンは絶対に必要です。しかし、自分以外がいる場所では、極端な設定温度にするのは避けるべきだと思います。
記事監修:めじろ内科クリニック 久野伸夫医師
日本内科学会総合内科専門医。自身のクリニックの院長を務めるほか、産業医としてオフィスワーカーの健康もサポートする。
文/ヒオカ
構成/金澤英恵
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