自信喪失した人たちの悩みに肯定的な言葉で答える

他人の失敗を期待してしまう──自分の性格が悪すぎると嘆く41歳に贈った肯定的な言葉とは?_img0
 

悩んでいるときや心が疲弊しているとき、他人からの言葉に救われた経験はありますか?

筆者はこれまでの人生で何度かありましたが、今でも鮮明に覚えているのが会社の先輩からかけてもらった一言です。当時の筆者は入社3年目で、自分の業務と新人の指導がうまく両立できずに半ばパニック状態に陥ってしまい、作業も人間関係もすべてが空回りしていました。
 

 


そんなある日、仕事の遅れを取り戻すべく残業にいそしんでいる筆者に1本の缶コーヒーを買ってきてくれたのがその先輩でした。代金を払おうとすると「いらない」と断られ、続けて「がんばってるから」とさりげない言葉をかけてくれたのですが、不思議なことにその一言で荒廃しきった心が一気に潤いを取り戻しました。

そのときに感じた自己肯定感や安堵感を思い出させてくれたのが、コミュニケーションコンサルタントとして活躍するひきたよしあきさんの著書『あなたを全力で肯定する言葉』です。本書では、さまざまな理由で自信を失った相談者に対し、ひきたさんが相手を肯定するかたちで答えてくれるのですが、根拠のある言葉が紡がれていて説得力がしっかりとありました。

さらに、その優しい語り口もすばらしく、筆者自身は控えめなトーンで語りかけてくる深夜のラジオ番組のような心地よさを感じました。

そんな魅力を持つ本書の一部を、ここでご紹介したいと思います。