ミモレストアでこの秋「NAVE」と別注したカーディガンとシャギースカート。本日は、今回の別注アイテムでタッグを組んだ、ミモレストアディレクターの福田麻琴さんとNAVEディレクターの福田亜矢子さんの対談をお送りします。実はスタイリストデビュー時からかれこれ15年の仲、というおふたり。「スタイリスト目線での服作りを大切にしている」という思いを伺いました。
福田麻琴さん(以降、麻琴さん) ミモレストアでは、この春に斉藤くみさんがディレクションする「ReNAVE」とベーシックなセットアップをご一緒させていただいたのですが、亜矢子さんの手掛ける「NAVE」とは、秋冬という季節的にも少し華やかなアイテムをご一緒したいなと思って。これからおしゃれの楽しいシーズンが始まるし、お出かけ気分も盛り上がるので、程よいトレンド要素の入ったアイテムが作れたらいいなと思いました。
福田亜矢子さん(以降、亜矢子さん) たしかに、ほんのりラメの入ったシャギー素材だったり、2WAYで着られるカーディガンだったり、日常使いはもちろん、オケージョンシーンでも華やかに着られる、バランスの良いアイテムができましたね。
麻琴さん やっぱり私のなかで「NAVE」は、ちょっとトレンド要素が入ったアイテムというイメージがあって。大人のトレンドのさじ加減みたいなものは、やりすぎても駄目だし、かといって今までどおりでもアップデートできないし。服を作る上で、とっても難しいところだと思うんですが、どうでしょう。
亜矢子さん そこはまさにNAVEでいつも考えているところなんです。地味ではなく、かといって華やかすぎない「控えめな華やかさ」のちょうど良いバランスは結構難しくて。個人的には、8割のベーシックに2割のトレンドを加えるバランス感が大人にはちょうど良いのかなと感じています。2割というと割合的には少なく感じるかもしれませんが、その2割が大人の着こなしに“艶”や“潤い”を与えてくれるエッセンスになるんですよね。
麻琴さん まさに! その“艶”がいつもの着こなしを少し新鮮にしてくれますよね。今回も、ベーシックに程よいトレンド感が混じった、バランスの良いアイテムが出来たんじゃないかなと思います。
“特別な日のニット”じゃなくて、気軽に洗えて思わず手に取る“毎日のためのニット”
麻琴さん このニットの素材、モチモチしていて着心地が良くて、とってもお気に入りです。着用感もニットというより、上品なスウェットという感じですよね。素材感的にも秋の初めから春先まで、長いシーズン着られると思う。
亜矢子さん 細番手の糸をハイゲージで編んでいるので、立体的で上品な見た目になるんです。しかも毛玉になりにくいし、自宅でも洗える。特別な日の高級なカシミヤニットも良いけれど、私たちの日常に必要なのは、自宅で洗ってもOKで型崩れしにくい、毎日着られる気軽なニット。そういう使い勝手の良さがあると思います。
麻琴さん 1万円台というのも本当に優秀! カーディガンとしても着られて、閉めたらVネックニットとして着られる。しかも前後でも着られるようにしてもらったので、本当に使い勝手はいいですよね。毛足が長くないので、秋初めから着て、冬が深まったら中にタートルなどを重ねてレイヤードを楽しんでもらっても素敵だと思います。
亜矢子さんも黒が好きだけど、私も黒好き。たしかに黒の持つ格好良さもあるんだけれど、今回チャコールグレーを選んだのは、黒よりも優しく見えるし、黒をはじめ他の色とも合わせやすいというのもありますよね。
亜矢子さん 黒よりも優しげに見えるし、肌映りも良くて、グレーは大人におすすめの色(笑)。ジャケットのインナーなどで着るときは薄手のグレーもおすすめするのですが、1枚で着るときは着痩せして見える少し濃いグレーがやっぱり万能ですね。
表情感のあるスカートで、
定番の着こなしをアップデート!
麻琴さん このシャギースカートは、今年らしい表情感のあるスカートがとっても上手に出来たと思うんです。ラメのほどよさやシルエットが、大人が着るのにちょうどいい。タイトすぎず、広がりすぎない落ち感のあるシルエットが穿きやすいなと思いました。さすが亜矢子さん! しかも程よいモード感もあるのに、ウエストがゴムだからつるっと穿けるのも嬉しい(笑)。
亜矢子さん 気張らずに着られることって、大人になるとより大事に感じますよね(笑)。フェミニンな素材感なんですが、さりげなくラメが入っているのがちょっとモードで、いろんなシチュエーションに使いやすいと思います。形はベーシックだけれど素材をアップデートすることで、いつもの着こなしを簡単にアップデートできるのも魅力ですよね。
麻琴さん 撮影で白シャツに合わせたんですが、それだけで食事会などにいけそうな華やかな着こなしになりました。素材に表情感があるので、ワンツーコーデでも簡単におしゃれをした感じが出て、ある意味ラクができるアイテムだなと思って。去年の手持ちのトップスに合わせるだけで新鮮になるし、Tシャツやスウェットにも合わせてみたいですね。スニーカーやサイドゴアブーツなど、カジュアルな足元にも合いそう。
麻琴さん 私たちはスタイリストなので、服を作らせていただくときも“1点がすごく華やかで主役級”というよりも、スタイリングしたときの合わせやすさや着た時のバランスを考えているところがあって。今回もクローゼットに馴染む、着回しやすいアイテムになったんじゃないかな、と思います。
亜矢子さん たしかに、着た人が美しく見えるかどうか、そして「今こんなアイテムが欲しかった」という、スタイリスト目線も入った服になったかなと思います。シンプルだけれど、旬のエッセンスと着回しやすさが詰まっているので、ぜひいろいろなコーディネートを楽しんでいただけたら嬉しいです。
ヘア&メイク/久保フユミ(ROI)
取材・文/ミモレ編集部