季節の深まりと共に、秋のおしゃれもいよいよ本番。本日は現在販売中のNAVEの別注カーディガンとシャギースカートの製作の裏側ついて、NAVEディレクターのスタイリスト福田亜矢子さんにお話を伺いました。スタイリストの目線を大切にしながら大人の女性に向けて服を作っている、という福田さん。大人の女性にとって、おしゃれの匙加減で大切にしたいこととは? そんな着こなしのポイントについて伺いました。

「“トレンド”というとわかりづらいけれど、大人の着こなしに“艶っぽさ”や“潤い”を加えてくれるものだと思うんです」

福田亜矢子さん/大学卒業後、出版社に入社、後に渡英。帰国後アシスタントを経てスタイリストに。現在は女性誌を中心に活躍。女性らしさとどこか都会の洗練されたエッセンスが織り込まれたスタイリングは、幅広い層から支持を集めている。

「NAVEを立ち上げて4シーズンめになりますが、いつも意識しているのが“程よくトレンドを取り入れたリアルクローズ服である”ということ。年齢を経るにつれ自分の好きなものはどうしても固まってきてしまいますよね。いつもこのニットとパンツ、という風になってきますし、それはそれで良いと思うのですが、そこにトレンドという名の“艶”や“潤い”のような揺らぎを加えることで、自分自身がすごく新鮮に映るんです。着ることでなにかしらの発見もある。そういうベーシックに2割くらいのトレンド感、という匙加減が大人の着こなしには結構重要なのではないかなと思うんです。
しかも若い女性と大人の女性にとって、その“トレンド”は違うこともありますよね。私自身も産後に体型の変化があって似合う服が急にわからなくなった時期がありました。そんな経験を経て、スタイリスト目線で『こういうポイントがあったらいいな』という実践的なエッセンスも入れるようにしています。

今回のカーディガンとシャギースカートも、形はとってもベーシックですが、ほんの少しの丈感や素材感が異なるだけで、いつもの着こなしが新鮮になるアイテムに仕上がりました。さらにスタイリストの目線としては欠かせない、着た時に体型が美しく見える点も意識して作っています」

福田さんこだわりのポイントをご紹介!

「スムースな着心地のカーディガンは洗っても立体感が崩れません」

「こちらは去年ReNAVEで大人気だったニット素材をアップデートしたものなのですが、細番手の糸をハイゲージで編んでいるので、目が綺麗にぎゅっと詰まったスムースな肌触りが特徴です。私も昨年購入して着ていたのですが、洗っても立体感が崩れない。締め付けもなくて、スウェット感覚で気軽に着られます。ニットの締めつけ感が苦手な人にもおすすめです」

「短丈なのでボトムも合わせやすく、スタイルアップも叶えます」

前後両面で着られる2WAY仕様に。黒のボトムにも合わせやすいよう、ボタンは黒になっています。

「カーディガンなのですが、Vの開きを狭くしているので1枚でも着られます。しかも前も後ろも着られる2WAYになっているので、1枚で何通りにも楽しめるのも良いですよね。丈はやや短めなので、身長の低い方でもバランスが取りやすいですし、ボトムも合わせやすいです。今日はスカートに合わせましたが、ワイドパンツにもスリムにも合いますし、ぜひお手持ちのボトムとの合わせを楽しんでいただきたいです。チャコールグレーは上半身が締まって見え、黒より肌映りも良いので、大人の女性におすすめの色です」

「シャギーの素材感が、冬の着こなしに上品な華やかさを加えてくれます」

生地に少しだけ入っているラメがさりげなく華やかさを添えます。

「この秋冬は、クローゼットになかった“シャギー素材”に注目しています。形はベーシックな黒のロングスカート。でも、フラットではないシャギー素材の存在感が着こなしを軽やかにアップデートしてくれるんです。冬の着こなしはマットで重いものが多いので、ともすると地味見えしがちですが、黒でも立体感があって動きも出るので、1点投入するだけで華やかに。

今回ご一緒にコラボした福田麻琴さんからは『ぺたんこな靴にもショートブーツにも合わせられるスカートにしたい』というリクエストをいただきました。あまりフレアだと子供っぽいし、Aラインだと動きに制限が出るので、程よいギャザー具合に仕上げています」

シアーニット¥19910/NAVE  ミモレ別注・NAVEシャギースカート¥27940/mi-mollet STORE 

「ニット合わせはもちろん、私はシアーアイテムに合わせて食事会に着ていきたいですね。大事な場面ではシャツやジャケットなどに合わせると、オケージョンにも対応できますし、スウェットでドレスダウンしても。オールシーズン愛用できる1枚だと思います」


「今の時代、モノの値段がどんどん上がっていくなかで、価格とおしゃれとのバランスの見極めが難しくなっていますよね。良いものでいて、高すぎないものを作るのは難しいことですが、今回のニットも1万円台でお届けできるのは、リアルクローズ服を作りたいというNAVEのコンセプトにとっても大事なこと。ぜひひと匙のトレンドをクローゼットに加えるワクワクを楽しんでいただけたら嬉しいです」

撮影/目黒智子
スタイリスト/福田亜矢子
ヘア&メイク/久保フユミ(ROI)
取材・文/ミモレ編集部