20代で同学年のライター、絶対に終電を逃さない女さんとヒオカさんには、小学生から体のあらゆる不調に悩まされ、365日のうち調子がいい日はほとんどありません。すでに老後のような感覚だというふたりが、1日8時間、週5日働くことが前提とされる社会への違和感を語り合います。

1日11時間寝ないと生活が破綻…体力ない・虚弱体質ライターふたり「1日8時間週5労働前提は無理がある」_img0
手放せないという「虚弱体質」対策グッズと共に。絶対に終電を逃さない女さん(左)は白Tにイエローが映えるインソールとコーン茶を。ヒオカさん(右)は「熱さまシート」をチョイス、ブルーの手袋と色合いがマッチしている。

絶対に終電を逃さない女さん(写真左)
1995年生まれ。早稲田大学文学部卒業。大学時代よりライターとして活動し、現在はエッセイや小説をWebメディア、雑誌、映画パンフレットなどに寄稿している。著書にエッセイ集『シティガール未満』(柏書房)。(Twitternote

ヒオカさん(写真右)
1995年生まれ。地方の貧困家庭で育つ。自身の体験記を書いたところ、話題を呼びライターの道へ。"無い物にされる痛みに想像力を"をモットーに弱者の声を可視化するために取材・執筆活動を行う。著書は『死にそうだけど生きてます』(CCCメディアハウス)、『死ねない理由』(中央公論新社)。

 


毎日10〜11時間寝ないと回復できない


編集部:おふたりは小学生のころからあらゆる不調があるそうですが、特に働き始めるとすごく体調が悪くても休めないとか、ちょっと無理してでも働かなきゃいけないっていうシーンがあると思います。働きだしてからはどんな不便がありましたか。


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ヒオカ:終電さんはそもそも大学生のとき睡眠障害になって、早稲田大学卒業でいらっしゃいますが、新卒で就職できなかったそうですね。

絶対に終電を逃さない女さん(以下、終電):そうですね。結構すぐ諦めちゃいました。

ヒオカ:何歳で睡眠障害になったんですか?

終電:大学3年生のときです。睡眠導入剤を3つぐらい試して飲みましたがあまり効かなかったです。でも不眠は治って、今は過眠があります。

ヒオカ:睡眠時間ってどれくらいですか。

終電:時期によるんですよ。短くて済むときは7時間で、普段は大体10時間とか。一番調子が悪いときは11~12時間。でも寝ても調子悪いです。過眠のときほど調子悪い。起きてる間も眠いし、頭の動きが鈍い。もちろん無理に短くしても調子悪いし、質の良い睡眠を適切な時間取れるっていう時期が全然なくて、1年の間で合計1〜2ヵ月ぐらいかな。私はヒオカさんと逆で、結構居眠りしちゃうタイプなんです。本当に寝ちゃいけないときにも寝ちゃう。歩いてるのに、もう眠くて眠くてやばいみたいなときとかあってしんどいです。

ヒオカ:ずっと生理の前みたいな、あのときの症状が一年中あるみたいな感じですか。

編集部:例えば、カフェインの入ったエナジードリンクを飲んで目を覚ます、みたいな対処法ではスッキリしないぐらいの眠気がありますか。

終電:カフェインを摂るときはあるんですけど、体質に合ってないのか、カフェインを摂ってシャキッとするっていう感覚が全くなくて。変わらず眠いし、その割に夜眠れなくなったりするので、あんまり摂らないです。

ヒオカ:私は今毎日11時間寝ないと倦怠感、肺が痛い、呼吸が浅い、頭痛、めまいがするんです。普通の人だと10時間ってよく寝た、だと思うんですけど、私だと10時間って寝れなかった、なんですよ。まとまって寝られるわけじゃなくて、11時間の間に3、4時間ごととかで細切れに何度も起きてるんです。今日は用事があって、8時間半ぐらいしか寝れなくて、睡眠不足の状態で動くと、次の日の半日は仕事せずに寝てないと回復しないですね。

終電:1日ちょっと頑張ると、次の日休まなきゃいけないっていうのはあるあるですね。