「韓国での人気は自分の音楽世界に向かっていける、きっかけのひとつでもありました。当時、X JAPANの音楽を聴いてくれた韓国のファンに感謝します」
いまも韓国では、「国民感情を配慮するため」という理由から地上波のテレビ(KBS、MBC、SBS)で日本語の歌が流れることはほぼありません。ただ、近藤真彦の『ギンギラギンにさりげなく』が放送されたMBNやYOSHIKIとK-POPアーティストとの『ENDLESS RAIN』コラボステージをオンエアしたMnetのように、ケーブル局ではもはや「規制」は存在しません。さらに、ケーブルテレビの動画が番組公式YouTubeだけでなく、ファンのYouTubeやSNSでも拡散されていく時代。
「1990年代まで日本のポピュラー音楽は禁止されていました。韓国の若者たちが密かに聴いていたことを知っていますか」
今年6月、朝鮮日報のインタビューでこう問われたYOSHIKIは、次のように答えています。
「X JAPANの音楽にそのような力もあるということを悟らせてくれたのが、韓国のファンたちでした。(韓国での人気は)自分の音楽世界に向かっていける、きっかけのひとつでもありました。当時、X JAPANの音楽を聴いてくれた韓国のファンに感謝します」
また、ステージで韓国の歌手とともに『ギンギラギンにさりげなく』を歌ったマッチも、MBNの取材にこう語りました。
「夢のようです。僕が若い頃に歌っていた曲が、韓国でこうやって大ヒットして、若い韓国の歌手の子が歌ってくれて。感動してるし、なんかもう、まだまだ僕も頑張らなきゃって気になりました」
韓国MBNで『ギンギラギンにさりげなく』を歌った近藤真彦
さらに、『韓日トップテンショー』は12月に中島美嘉が出演すると予告。中島美嘉は、2004年に韓国で『雪の華』のカバー曲がドラマ『ごめん、愛してる』の主題歌になって人気を博した、伝説的な存在です。製作陣は韓国メディアの取材に対して、「今後も想像を超えるレジェンドたちの出演が待っている。期待してください」と語っています。
ひょっとすると、松田聖子が韓国のテレビで『青い珊瑚礁』を披露する日も遠くないのかもしれません。
前編「NewJeansハニの『青い珊瑚礁』、マッチの『ギンギラギンにさりげなく』...地上波TV放送NGでも韓国でJ-POPが愛される特殊事情」>>
取材・文/桑畑優香
構成/露木桃子
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