オッティさんからの質問
Q.
ワーキングプアで終活どころか、将来がまったく見えない……。

事務の仕事が低賃金すぎて、まったく貯金ができない。日々カツカツの生活をしています。国に頼れない今、ワーキングプア状態で、将来が見えません。こういうことを考えているとウツ状態になっていき、体調を崩すほど。最近は心療内科に通院しています。こんな私は一体どんな終活ができるのでしょうか。

特別ゲスト 金子稚子さんの回答
A.
自分らしいエンディングを迎えらえるかどうかは、お金ではなく人間関係にかかっています

これは、本当にお辛い状況ですよね。中途半端な慰めの言葉ではなく、具体的にオッティさんができる準備についてお伝えしたいと思います。

将来の憂慮を減らすためには、ぜひ、お住まいの地域で医療や介護関係のボランティアを始めてください。

今の日本は、どんなに健康な人でも、最後は約2年の介護が必要になると言われています。食事、トイレ、お風呂の介助など……。実際、これまで終活ジャーナリストとして多くのお医者さんからお話を聞いてきましたが、事故などで突然亡くなられるケースを除けば、およそ90~95%の人が、人の手を借りて最後を迎える、とおっしゃっていました。

そう聞くとつい、「良い介護を受けるにはお金が必要だ」と思ってしまいますが、そうでもないのです。なぜなら介護とは、人間関係でもあるから。お金がなくても、地域の医療や福祉と何らかのつながりを持っていれば、いいお医者さんや看護師さんがどこにいるかといった情報が入ってくるし、分からないことも気軽に相談できるのです。

これは私の父のケースなのですが、父は60歳を過ぎてからも、シルバー人材として特別養護老人ホームの夜間警備員として働いていました。その関係で、施設の方たちとも大変仲良くなっていたのです。その父ががんを患い、病気が進行して介護が必要な状態になったとき、母は父が勤めていた施設の方に相談をしたんですね。すると父と仲良くしてくれていたケアマネージャーさんが様々なアドバイスをくださり、おかげで父はスムーズに要介護認定を受けることができ、大変助かりました。

2025年問題といって、2025年になると人口の多い団塊の世代が75歳になり、一気に介護が必要になる人が増えることが予想されています。もちろん、それにともなって高級な医療サービスや介護サービスを提供する老人ホームも増えるでしょう。でも本当のサービスの差とは、“真心がこもったちょっとした気遣い”に出てくるものなのです。ボランティア活動などを通して知り合っている人や、あるいはそれまでにお世話になった人に対して、医療や介護の専門職の方々はどのような対応をなさると思いますか? もちろん皆さんプロですから、公平平等なサービスを提供されますが、でも“あと一歩”が違ってきます。またアナタ自身も、専門職の知り合いから紹介された人であれば、安心感が違うはずです。ですから、医療や介護につながる良い人間関係を築いておくことが、何より大事だと思うのです。ぜひ、苦しんだり困ったりしている人のために、医療や介護の方々のお手伝いをしてください。その“目に見えない心の貯金”は、必ずオッティさんのところに返ってくるはずです。

お金よりも、最後は人。死に近くなればなるほど、お金の多少にはほとんど意味がないことを痛感することになると思います。

いかがですか?
金子稚子さんの回答、ぜひご参考になさってください。
金子さんの回答一覧を見る

PROFILE
  • 金子稚子(かねこわかこ)1967年生まれ。終活ジャーナリスト。終活ナビゲーター。一般社団法人日本医療コーディネーター協会顧問。雑誌、書籍の編集者、広告制作ディレクターの経験を生かし、死の前後に関わるあらゆる情報提供やサポートをおこなう「ライフ・ターミナル・ネットワーク」という活動を創設、代表を務めている。また、医療関係や宗教関係、葬儀関係、生命保険などの各種団体・企業や一般向けにも研修や講演活動もおこなっている。2012年に他界した流通ジャーナリストの金子哲雄氏の妻であり、著書に『金子哲雄の妻の生き方~夫を看取った500日』(小学館文庫)『死後のプロデュース』(PHP新書)『アクティブ・エンディング 大人の「終活」新作法』などがある。 この人の回答一覧を見る
  • 山本 奈緒子1972年生まれ。6年間の会社員生活を経て、フリーライターに。『with』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。 この人の回答一覧を見る