シングルマザーと告白したとき、彼の反応は…


恋愛本を読み漁った努力が功を成した、と美保さんは仰いますが、個人的な見解を書かせていただくと、実際にそのテクニックが効いたというよりも、美保さんご自身のひたむきな思いが伝わったのではないでしょうか。

もちろん男性心理やトリセツなどを学ぶのは有利でしょうが、彼女の話を聞いていると、やはり正直で素直な性格が彼の心に刺さったように思います。

「ただ、2人きりで会うようになってからも、やはり子持ちであることは簡単に打ち明けられませんでした。父親の言葉がネックになっていて、せっかく近づけた彼との関係を失うのが怖くて……。

でもラッキーだったのが、仕事関係の共通の知人伝いで、実は彼は最初から私がシングルマザーなのを知っていたんです。それで、3回目のデートで彼のほうから『結婚とか、子どもの願望はある?』と聞いてくれて、そこで嘘はつけず告白した形になりました」

実はもう知っていた、という彼の返答に美保さんは驚きましたが、そのとき一気に肩の荷が下りたと言います。

「それに彼は、私が恐れていたのと真反対の反応をしてくれたんです。『1人で子どもを育ててしっかり働いてるなんてすごい、尊敬する』と。

恋愛本を読み漁っていた私ですが、そのとき改めて実感しました。そうだ、私はモテる必要なんてなかった。シングルマザーでどんなに恋愛上ハンデがあっても、ただ私を理解して、向き合ってくれるたった1人に出会えればいい。何かを偽ったり、取り繕ったりしなくていいんだ、と

30代シングルマザーと年下男性の恋。モテるために彼女が利用した、意外すぎる方法とは…_img0
 

ちなみに、美保さんのお父様は「もう元夫以上のスペックの男には出会えないぞ」と何度も念を押したそうですが、現在の夫は大手外資系企業勤務の素敵な方。

表面的な角度で人を判断するのは少々下世話ですが、医師である元夫にまったく引けをとらない男性であることを敢えて書かせていただきます。「女性は27歳が最高値」という概念は古いもので、最近は年齢云々よりも、自立した女性こそパートナーを見つけやすいという説をよく耳にします。

「ただ……デートを重ねて、お互いの好意は明確でも、『付き合おう』の一言はありませんでした。まあ、当然だと思います。まだ20代の彼が、たしかに子持ちの年上女性を恋人にするのはハードルが高いので。

でもその後、私の誕生日をお祝いしてもらったとき、流れで身体の関係を持ちそうになったんです」

美保さんはそのとき、頭の中では「付き合っていない状態で身体の関係を持ってはいけない」と強く思っていました。が、同時に盛り上がる気持ちを抑え、かつ彼を冷めさせてしまうのも怖い。強い葛藤に揺らぎました。

「ですが、もともと両親に貞操観念を強く持たされていたのと、また読み漁った恋愛本にこんなことが書いてあったのを思い出したんです。

大人の恋愛で、先に身体の関係を持ってもうまく付き合える女性もいる。でもそれは器用な女性に限る。もし自分が不器用という自覚があるなら、絶対にしてはいけない。もし相手に誘われたら勇気を持って『私は感情移入するタイプだからできない』と正直に断ること。安易に身体の関係を持つと、自分らしさを失ってしまう。不器用な女性は、これができないと一生不幸です。

と。これ、頭ではわかっていても、伝えるのって物凄く恥ずかしい。でも私は実際に不幸になるとわかったので、はっきり彼に伝えて断りました。今、人としてあなたを尊敬してるし好きだけど、身体の関係を持ったら本当に好きになってしまう。それは辛いから無理だと

どこまでも正直で、またご自身のことを決して安売りをしない美保さんの姿勢に胸が痛くなります。いい歳の自分が20代の彼に本音を打ち明けるのはかなり恥ずかしかったそうですが、美保さんは勇気を振り絞ったのだそうです。

そんな彼女に対し、年下の彼は一体どのような反応を見せたのでしょうか。

次週の最終回では、誘いを断られた彼の意外な反応、その後ついに再婚にまで発展した経緯をじっくりお話いただきます。

 

写真/Shutterstock
取材・文・構成/山本理沙
 
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