役割が個性となる生き方


そこでもう一度、先天的、後天的な才能の章をじっくり読み返してみました。私の先天的な才能は「仕組みを整え、ケアする才能」。そして、こんな言葉がありました。
 


――木星を6ハウスに持つ人は、先天的に“ギア”を組む人です。ギアは1枚では何も意味をなしませんが、ギアとギア、チェーンなど動力と組み合わせることで大きなものを動かしたり、何かの役割を果たしたりすることができます。(p94)
 


なぜ気が付かなかったのでしょう。何か一つの突出した才能が必要だったわけではなく、組み合わせや掛け算こそが私にできることだったのです。いつだって中途半端で、結局何一つ出来てやしない、と後ろめたく思っていた器用貧乏というコンプレックスが、ハラハラと解けていくのを感じました。

そしてもう一つ。後天的な才能には「役割が個性となる生き方」という言葉がありました。私にとって本はただの趣味であり、介護をしながら両立してきた図書館での仕事も、ステップアップを望める状況ではありませんでした。でも「ケアする人達の役に立ちたい」という役割を見つけたことで、これまでやってきたことが急に一つの個性として色彩を帯びてきたのです。

才能どころか得意なこともわからない...「突出した才能」への長年のコンプレックスが解消した話【人事担当の会社員が、星読みで才能を見つけてみた】_img0
ミモレでもおなじみのイラストレーターSumiさんに描いていただいた、本屋開業までの4コマ漫画の1コマ。20代で始まった介護のことを恨む気持ちは全くありませんが、あるときから、自分の人生に向き合うことを投げ出していた私がいました。まさか、こんな展開がやってくるとは……。
 


才覚を意識して


yujiさんはエピローグで、才能についてこんなふうに書いています。
 


ーーそれを光らせるためにはメンターのサポートももちろん大事ですが、才覚に目覚め、意識してそれらを使っていくことが何より大切であるということです。(P199)
 


もしホロスコープから読み取れる才能が、自分はまだ気付いていない一面なのだとしたら、日常から意識していくことで、その才能を引っ張りだしていくことも可能なのかもしれません。

そこで最後に、私がこれから意識していくべきことについて考えてみました。教えてくれたのはドラゴンヘッドという天体。これは課題を示す座標だそうです。

ドラゴンヘッドが1ハウスにある私の課題は「自分らしさを打ち出す」。うわ、ちょっとまた新たな難問の様相です。思わず固まる私。実は、最近「YouTubeに出演してみませんか?」というお誘いがあり、恥ずかしいし、話すの苦手だし、どうしよう……と悩んでいたのです。でも、そのあとのメッセージに勇気をもらいました。


ーー自分のキャラクターやアイデンティティにコンプレックスがあったり、主体的に生きるのが苦手だったりするかもしれませんが、それらに真正面から向き合い、克服していくことでエネルギーが回り始めます。自分らしく生きることで周りを勇気づけ、自分を打ち出していくことで新たな役割や仕事を得る可能性が。(P181)
 


この言葉を〝おまもり〟代わりに、これからまた一歩、踏み出していけたらと思います。

 
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