あなたが特別なわけではない。海外でのナンパにご用心
老若男女問わず、ひとり旅で最も気になるのはやはり「トラブル」ではないでしょうか。事故、病気、犯罪など旅先で起こり得るトラブルとその対策についても賢人たちはしっかり説明していますが、特に女性が気をつけなければいけない事例として「ナンパ」を挙げています。
「軽くぶつかったり、物を落としたり、『運命の出会い』を装うのもお手のものだ。『女性=声をかけなきゃ』という反射神経でちょっかいをかけてくる人もいる。そしてもちろん、ドアを開けてくれたり、重たい荷物を棚にあげるのを手伝ってくれるのは、小さな頃からのしつけによるレディーファーストの態度だ。あなたが特別なわけではない」
かなり手厳しい言い方ですが、非日常感におぼれて浮かれ気分になりがちな女子ひとり旅には、これくらいしっかりくぎを刺しておく必要があるのかもしれませんね。では、ナンパの何が危険なのか? 具体的にはこのようなことらしいです。
「話の流れで、お茶くらいいいかな、と思っても、初対面の相手と密室でふたりになるのは避けたい。バーやカフェに行ったとしても、身体を妙に近づけてくる相手には用心が必要だし、また、飲み物から目を離さないように。途中から睡眠薬強盗にならないとも限らない。ひとり旅であること、旅の期間、宿の名前など個人情報も教えないように。たまには本気のひと目惚れもあるだろうが、はじめてのひとり旅、初対面の相手となるとリスクが高すぎる。ノーサンキュー、と立ち去りたい」
チカンやセクハラ、性犯罪に巻き込まれないためには?
「ノーサンキュー」のひとことで立ち去れるならまだいい方かもしれません。「美術館の係員に隅のコーナーに連れて行かれハグされた」「警官に呼ばれてキスされた」など、思いもよらない場面でチカンやセクハラに遭遇することもあるようです。そのような状況に陥らないための防衛策も賢人たちは教えてくれます。
「まずは、2人きりにならないこと。土産物屋のおやじが『マダムもっと奥にいいものが』といってきたり、ガイドが『あっちで見る夕日はもっときれいだよ』などと『2人きり』方向に誘導してきたら、付いて行ってはいけない。また、『おや?』と思った時点で「NO!」と怒るか(これだけでけっこう撃退できる)、抵抗すると危なそうなら早くその場から逃げて、別の人がいるところに避難する」
ただ、上記のようなやり方だと出来心からのチカンやセクハラは回避できたとしても、最初から犯罪目的で近づいてきた人を回避するのは難しいでしょう。では、女性が性犯罪に巻き込まれないためにはどうするべきか? 賢人たちはこのように説明します。
「『地元の人が危ないというところには行かない』『知らない人には付いて行かない』この2つを守るべし。静かな夜道のひとり歩きは避けたいし、夜、外から帰るときも無許可タクシー(白タク)の利用はやめよう。後ろから来た車に道を聞かれ、立ち止まったらそのまま車に連れ込まれたり、白タクで郊外に連れて行かれたり、『ついうっかり』の油断が原因で犯罪に巻き込まれる」
おそらくここまで気をつけていれば、よほど治安の悪い国でない限り犯罪に巻き込まれることはないでしょう。本書には安心して女子ひとり旅ができる国や旅の組み方なども詳しく紹介されていますので、ぜひポジティブな気持ちで海外旅行に向き合っていただきたいと思います!
『旅の賢人たちがつくった 女子ひとり海外旅行最強ナビ【最新版】』
著者:山田静withひとり旅活性化委員会 辰巳出版 1760円(税込)
旅の組み立て方や手配の方法から、おススメの旅先や遊び方、トラブルの回避法まで。ひとり旅の経験が豊富な賢人たちが、女性ひとりで海外を旅行する面白さを総合的にナビゲートします。女子のひとり海外旅行に関するあらゆる情報が細かく記されていますので、初心者や未経験者が抱きがちな懸念をしっかりと払しょくしてくれるでしょう。2018年12月に刊行した内容を2024年時点の最新情報に更新しているので、安心して活用できます。
構成/さくま健太
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