カジュアルな恋人同士にはなれない


ちなみに当時の美保さんは娘さんに対し、彼のことを「仲の良い友達」と伝えていたそう。

母親の恋愛に、娘を巻き込みたくない気持ちが強かったんです。娘は当時3歳で知恵もついてきたので、結婚の予定もなく父親になる可能性がない男性と親密になるのはどうなのか不安で。

娘の前では男女の空気を出すのを控えてもらっていました。結局、半年ほどの交際で娘に会わせたのは3回くらい。2人きりでデートをする時間にも限りがあるので、本当に仲を深めるなら、私はやっぱり結婚を視野に入れたい気持ちでした

しかし彼のほうは、もし本当に結婚するなら、もっと娘さんと交流を持ち、できれば試しに同棲をして父親になる覚悟ができてから……という考えもあったそう。

どちらの意見もわかりますが、しかし2人の意思は平行線のまま、破局してしまったのです。

母親に“年下彼氏”ができたとき、3歳の娘は...?シングルマザーの恋愛の現実_img0
 

「彼の気持ちもわかりますが、私は『試しに同棲』なんて絶対にしたくなかった。それでダメだったら、娘の環境や気持ちを振り回すことになるから。彼のことは好きでしたが、結婚の予定もないカジュアルな彼氏彼女でいるには、シングルマザーは忙しすぎるんです

別れはこちらから切り出し、その後も何度もよりを戻したいと言われましたが、ダラダラ関係を続けるのも嫌だったし、やっぱり私は恋愛よりも娘との幸せを一番に考えようと思い、連絡には応じずにいたんですが……」
 

 


その半年後、なんと彼は信じられない行動に出たのです。

「彼からよく連絡は来ていましたが、その日はたまたまお互い同じ駅にいるとわかり、じゃあせっかくだから少しだけお茶をしようとなったんです。

別れから約半年ぶりの再会で、『ああ、やっぱりこの人は居心地がいいな』なんて思いながらも1時間ほどで解散、途中まで送ってもらったんですが……じゃあここで、と別れるタイミングで、彼が突然地面にひざまずいたんです」

そして驚くことに、彼は街中で美保さんにプロポーズしたのだそう。

「美保も娘も幸せにする、美保がよければすぐにでも籍を入れようなどと、何というか、ありったけの気持ちをプロポーズとともにぶつけられ、本当に驚きました。

たぶん普通だったら、『唐突すぎる、少し考えよう』となると思うんですけど、何だかその時は彼の行動と縁を信じたいと強い直感が働き『イエス』と答え、その場で2週間後に入籍をする約束をしたんです」

一時破局からのプロポーズまでの流れがあまりに早く、ドラマのような展開に驚かされますが、結婚・再婚という大イベントは、意外にも突然訪れるものなのかもしれません。

逆に頭で色々と考えすぎ、現実的に算段するほど結婚から遠のく男女の話もよく聞くからです。

しかしながら、「2週間後の結婚」について、4歳になった娘さんとにはどのように報告をされたのでしょうか?