4歳の娘の心情


「あなたに新しいパパができるよ。ママの仲良しのお友達だよ。と、帰宅してすぐに娘に切り出したときは……実は、『絶対に嫌だ! 私のパパはもういる!!』と、私も予想外なくらいくらい号泣されました」

当時、別れた元夫との交流はほぼなかったそうですが、幼心ながらに血のつながった父親の存在を強く主張した娘さんに美保さんは驚いたそう。

「パパはパパ! 他の人はちがう! と、しばらく聞く耳を持たない状態で戸惑いましたが、私も娘に対して正直な気持ちを伝えることにしたんです。

いくら血が繋がっていても、あなたのパパはたまにしか会いにこない。あなたが赤ちゃんのときもお世話をしてくれなくて、病気になっても助けてくれなかった。ママは一人ぼっちで大変だったし、今もパパはママに協力してくれない。たまに会うときだけ、あなたには優しいかもしれないけど、ママはずっと嫌だった。あの人を好きになれないんだよ。と」

それまで父親の悪口は娘に伝えないよう意識していた美保さん。ですがこのときはなるべく言葉を選び娘さんに正直な思いを伝えると、彼女も真剣に母親の話に耳を傾けたそう。

母親に“年下彼氏”ができたとき、3歳の娘は...?シングルマザーの恋愛の現実_img0
 

「パパという存在は、たまにじゃなく、本当は一緒に住んで毎日ごはんを食べたりする人なんだよ、と伝えると、娘は泣きじゃくる代わりに、目をキラキラさせ始めたんです。

『え、じゃあ◯◯ちゃんや△△ちゃんのお家みたいなパパ? 普通のパパがうちにも来るの? 父親参観にも来る? 肩車もできる?』と」

シングルマザーとなってから、美保さんは父親の役割も一人で担う覚悟を決め、実際に何でも一人でこなし、また娘さんも特に不満は見せない様子だったそう。しかし彼女の口から「父親参観」「肩車」という言葉が出てきたとき、何とも言えない気持ちが胸に込み上げたと言います。
 

 


「そうだよ、全部新しいパパがしてくれるよ、と答えると、娘は今度は小躍りして喜びました。おそらくこれまで娘なりに諦めていた『普通のパパ像』が自分のものになると知り、単純に嬉しそうでした

入籍まではなるべく彼と時間をとり、娘とコミュニケーションをしてもらいましたが、私が心配するようなことはなく、二人は自然と仲良くなってくれました」