こんにちは、ミモレの川端です。連休ももう後半ですね。今年はおすすめ本を毎日更新できず、、、すみません。今日から残り3日、最近読んだおすすめ文庫本をご紹介します!
まずはこちらの早見和真さんの『イノセント・デイズ』。今、書店の文庫コーナーのイチオシの棚によく置かれているので、買おうかどうしようか迷った方がいたら、ぜひ読んでみてください!!!!

今年も年末年始に「私的年間ベストブック」をこのブログにアップしたいと思っていますが、間違いなくこちらはベスト3に入れると思います。いやもう文庫1位と言っちゃってもいいかもしれない。
煽りが長くなってしまいました(汗)。
主人公・田中幸乃(30歳)は、元恋人の妻と1歳の双子の命を奪った罪で死刑判決を受けている。なぜ彼女がそんな凶行に及んだのか、いや、果たして彼女が本当にやったのか……主軸はその謎解きにありますが、読み進める欲求は別のところに。
だんだん彼女がかわいそうになってくるんです。本当はやってないよね? やってないと信じたい。
この辺りの読者側の気持ちの代弁は、文庫の辻村深月さんのあとがき解説が見事なので、ぜひそちらを読んでください。(ネタバレがあると書いてありますが、結末のネタバレはこの小説の読みドコロにおいてはあまり重要ではない気がします)先にあとがきを読むのもアリです。

さて、田中幸乃が犯行に及んだ背景は、不幸な生い立ち、義父からの暴力など、“こういう背景だからこういう人だよね”と決めつけた報道の通りなのか。それは彼女を語るイチブで、ゼンブを知ると真相は全く違う、という(無駄にB’zをはさむこともないのですが)。この小説の主題はそこにあります。

イチブだけをネットで知って、「ああ、やっぱりね」と決めつけたり、発言のイチブだけがTwitterで拡散されたり……。それって、わかりやすいこと、理解しやすいことの方が正義をかざしやすいからなのかもしれません。
そんなことを、この『イノセント・デイズ』を読んで思いました。田中幸乃はわかりにくい。理解したいけど理解しづらい。最後の最後、やっと……。
とても暗くて、読むのも辛い感じの本なので、身も心もほぐしたいお休みにおすすめするのもどうかと思ったのですが(汗)。一気読み間違いなしです。
明日はもう少しライトな小説をご紹介したいと思います^^
ではではまた〜。
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