【質問5】風呂あがりや寝る前にできる、効果のある対処法があれば教えてください。


特に風呂あがりのタイミングは、皮膚表面に付着した水滴の蒸発とともに、皮膚の水分も失われ、皮膚の乾燥が悪化するタイミングと言われていますので、注意が必要です。

 

お風呂から上がる前にまず、お風呂の中でできることがいくつかあります。一つは、風呂に浸かる時間を10分程度までにしておくことです。それ以上長風呂をすると、皮膚表面の水分と脂を含む層が失われ、皮膚の湿潤を失いやすいと考えられています(参考4)。

とは言っても、しっかり浴槽につかりたいと思われる方も多いと思います。その場合には、少し温度を下げてぬるま湯にしたり、バスオイルを使用したりするのも有効と考えられます。

また、洗いすぎや石鹸の使いすぎも避ける必要があります。スポンジや硬い素材のタオルでの洗いすぎは、皮膚を傷つける原因になります。また、石鹸のアルカリは肌の保湿効果を失わせ、かゆみを悪化させることが知られています(参考5)。

このため、石鹸の代わりに保湿剤の入ったもの、酸性や中性の、石鹸を含まない洗浄剤を用いるのも有効です。実際、酸性環境自体がかゆみを抑制する効果を持つことを示唆した研究もあります(参考6)。

風呂あがりにはまず、バスタオルで擦らず、優しく包んだり軽く叩くような形で水分をとります。不用意に擦ったりすると、皮膚に傷をつけ、かゆみの原因になるからです。

そして、十分に水分を拭き取ったら、このタイミングでこそ乾燥が進みやすいので、すぐに保湿剤を用いて皮膚を十分に保湿します。

保湿剤には様々な種類のものがありますので、肌に合ったものを選択してください。一般にはクリームのような粘性の高いものの方が、保湿効果が高く、効果が持続しやすいですが、ベタついて不快だという方もいらっしゃるでしょう。これは個人の好みがあると思います。
 

関連記事
意外と知らない「風邪薬の真実」。医師が教える正しい飲み方と副作用は?>>