見た目年齢や内臓まで。骨が衰えることのトラブルは骨折だけじゃない


では、骨が衰えることで何が起こってくるのでしょうか? 

「骨折しやすくなる、というのは想像がつくと思いますが、みなさんが思っている以上に骨は身体のあちこちに影響している臓器です。骨が衰えることによるトラブルについてここでは説明しますね」

 

1) 骨折しやすくなる
骨が弱ると骨折しやすく、治りにくくなります。骨折すれば、寝たきりのリスクが高まり、その先の死亡リスクとシンクロしていきます。実際に、たった1回の骨折から負のドミノ倒しがはじまり、命を縮めてしまう高齢者は珍しくありません。骨粗しょう症になっても自覚症状はほぼなく、すぐに骨折するわけではありませんが、20〜30年後の健康寿命を大きく左右します。

 

2)見た目が老ける
骨が脆くなるということは、顔の骨も脆くなるということ。頬骨や眼窩が落ち窪み、顔が老けた印象になってしまいます。また、背筋が曲がるとそれだけで老けてみえます。見た目のアンチエイジングにも骨密度は大きく影響しているのです。

 

3)意外と知られていないけど、内臓機能にも影響あり
骨は作ったり壊したりと新陳代謝をしている代謝臓器です。そして骨代謝は、他の臓器ともつながっています。つまり骨の健康を維持することは内臓の機能を良好に保つことにつながっています。なかでも慢性腎臓病や糖尿病、動脈硬化とは密接に関わっており、骨密度が低いと上記の病気のリスクに加え、認知症のリスクも増えます。逆にほかの臓器に不具合があれば骨にも悪影響があることになります。

 

ざっくりいうと、加齢によって懸念される病気のすべてに骨は関わっているのです。