閉経後の骨は維持が大切。骨粗しょう症と診断を受けたら、積極的に治療を!

 

もしも閉経後に骨密度が下がり骨粗しょう症になってしまった場合は、医療機関で適切な治療を受けましょう。

骨粗しょう症の治療は、薬の治療がメイン。主に骨吸収(=骨が壊れるスピード)を少なくする薬と骨形成を助ける薬の2種があり、のみ薬や注射剤などさまざまな種類があります。また、女性ホルモン補充療法も選択肢のひとつ。カルシウム剤やビタミン剤など不足した栄養素を補う薬が処方されることもあります。

 

「閉経後の骨は、改善するというよりも維持していくというイメージです。骨密度がかなり下がっている場合は、食事と運動だけでは難しいので、サプリメントや薬など、その人それぞれに適したものを合わせて治療していきます。薬を使えば閉経後でも骨密度が上がっていく方もいらっしゃいます」

吉形先生の外来を受診する患者さんは、骨のケアを20年以上継続している方も多いそう。

「骨が丈夫な方は、みなさん見た目も本当に若々しいです。やったぶんだけ自分に返ってくるのを目の当たりにしています」

閉経後も人生は30年以上続きます。今からできることを、今すぐに始めましょう。

『40代から始めよう!閉経マネジメント』
吉形 玲美 (著)

「閉経マネジメント」とは、変化の大きい閉経前後の身体の変化に備え「自分の体を積極的にマネジメントする方法」のこと。その柱は、①女性ホルモンのコントロールと、②女性ホルモンの減少によって影響を受ける「骨の強さのマネジメント」の2つ。
40代以降の女性のライフステージを「プレ更年期」「更年期」「ポスト更年期」の3つに分け、それぞれのライフステージで何をすればいいかをわかりやすく解説しています。もっと知りたい人のためのQ&Aや、患者さんの体験記もたっぷり盛り込んだ、いつまでも健康な女性でいるための方法がギュッとつまった1冊です。

 

吉形 玲美 (よしかた れみ)
医学博士/日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
産婦人科臨床医として医療の最前線に立ち、婦人科腫瘍手術等を手掛ける傍ら、女性医療・更年期医療のさまざまな臨床研究にも数多く携わる。女性予防医療を広めたいという思いから、2010年より浜松町ハマサイトクリニックに院長として着任。現在は同院産婦人科専門医として診療のほか、多施設で予防医療研究に従事。月経不順、妊活、更年期など、ゆらぎやすい女性の身体のホルモンマネージメントを得意とする。’22年7月『40代から始めよう!閉経マネジメント』(講談社)を上梓。


取材・文/熊本美加
構成/宮島麻衣
イラスト/shutterstock

 

 

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