ビタミンサプリとの正しい付き合い方。デメリットも知っておこう。


山田:そもそも「サプリメント(supplement)」は、「補う」という意味です。足りないから補うものであり、足りているのに補ってしまうと、過剰になる可能性があるのです。ヴィーガンの方、アルコール依存症の方、慢性疾患による栄養欠乏のある方、胃のバイパス手術を行った方などを除き、日本で普通に暮らしている方にビタミンが足りなくなることは、まずないでしょう。疾病予防に繋がるというのに十分な科学的根拠はありません。

 

編集:科学的根拠、ないのですね……。

山田:ビタミン欠乏がない状況で、ある特定のサプリメントを飲み、「風邪をひきにくくなる」「認知症になりにくい」ということを証明しようとした研究もありますが、残念ながらどれもうまく証明されていないのです。

編集:なるほど。たとえば美白によい、と言われることの多いビタミンCのサプリメントなど、広告ページを眺めていると、ついつい欲しくなってしまいます。きちんと証明された根拠はないかもしれませんが、害がなければ、飲んでいても問題ない気もします。

山田:ビタミンは、実は飲みすぎることによる副作用もあるんです。たとえば、妊娠中にビタミンAを過剰摂取すると、胎児に奇形が生じる可能性が増えたり、骨量減少といった副作用が報告されています。 また、ビタミンCの過剰摂取では尿路結石症のリスクが、ビタミンEの過剰摂取では死亡のリスクが上昇することも報告されています。

編集:過剰摂取では、健康を害することもあるのですね。

山田:そうですね。各ビタミンの代謝は個人差が大きいため、正確にどの量から過剰と言えるのか線引きができないという実情もあります。たかがビタミン、されどビタミン。一般的な薬剤より頻度は少ないものの、「副作用」も存在するのだということは、頭に入れておいた方がいいでしょう。ただ、ビタミンが必要な場合もあります。

編集:どんな場合なのでしょうか?