すでに道が分かれている、二人が目指す「幸せの形」


私はあえて、さなえさんに見つめてほしいのです。彼の「そのうち家内は帰る。時間をくれ。待っててくれ」という言葉は、すでにさなえさんが悟っていらっしゃるように「体の関係は君だけ。でも離婚する気はない」という意思表示です。

これからは「誰かと一緒に穏やかに暮らしたい」と願うさなえさんと、これからも「奥様との結婚生活を続けながら、上手に人生を生きていきたい」と考えている彼。二人が目指す幸せの形は、これからも交じり合うことはないと思うのです

結婚生活はたとえ肉体関係がなくなったとしても、すぐに破綻するとは限りません。特に男性は社会性を重視する方も多く、夫婦として関わりを持っている「コミュニティ」の存在も大きいからです。40代から夜の営みを拒否されている彼が、それでも奥様を選び続けているのは、夫婦として認識されているコミュニティも大事であり、この先も「その中で暮らしていくことを選んでいるから」だと思います。

 

「彼のため」でなく「自分のため」を考えて


そもそも、奥様が彼の説得に応じて地元に帰る保証はどこにもありません。奥様と離婚しないようバランスを取ってきた彼だけに、奥様の機嫌を損ねること、波風を立てることは避け続けるだろうと思うからです。このまま淡い期待を抱いていても、さなえさんの心がささくれ立つばかりになるでしょう。

ですから、やはり彼とはこれを機に一度距離を置いてみるのがいいかもしれません。そして彼を遠目に見ながら、心の中で彼に「私と男女関係がなくなったとしても、私のこと好き?」と聞いてみてください。心の中の彼はどう答え、あなたはそれを聞いてどう思うのでしょうか――。

さなえさんが「再婚をして誰かと穏やかに暮らすのもいいかも」と考える時、その願いを叶えてくれるのは彼ではない可能性が高いと感じているからこそ、自ら別れを切り出せるほど、もう色々なことに気づいていらっしゃるのです。二人の関係を見つめ直す時は、「家庭を壊したくないから」「彼が必要としてくれているから」と彼のためを思うのではなく、「あなた自身の本当の幸せ」を中心に考えてみていただけたら嬉しいです。
 

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取材・文/金澤英恵
 


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