正しい表現は「雪辱を果たす」

 

「雪辱」は「晴らす」ではなく「果たす」が正解。

「雪辱」の意味を見ていきましょう。

①恥をすすぐこと。
②試合・競技などで、前に負けた相手に勝つことを言う。

(広辞苑 第七版/岩波書店 より引用)

以前はずかしめられた相手に対して、なんらかの方法で見返すこと。「雪辱を果たす」〔狭義では、以前負けた相手に勝つことを指す。「雪辱を晴らす」は誤り〕
(新明解国語辞典 第八版/三省堂 より引用)

 

「雪辱」の「雪」は「雪ぐ(すすぐ)」のことで、「汚名を除き払う」(広辞苑 より引用)、
「辱」は「はずかしめる、はじ」(新明解国語辞典 より引用)という意味があります。

つまり、「雪辱」という言葉自体に「恥を除き払う」という意味があります。そのため、「たまっている不快な気持ちを取り除いて、さっぱりした心境にする」(新明解国語辞典 より引用)という意味をもつ「晴らす」と続けてしまうと、同じ意味の繰り返しになってしまうのです。

なお、新明解国語辞典には、「雪辱を晴らす」は誤りという記載もありました。