反抗期にハマった『冬ソナ』、だけど韓国ネタを話せる相手が母親しかいなかった


アツミ:韓国ドラマを見始めたのは、お母さんが見ていた『冬ソナ』がきっかけだそうですね。

 

はしも:そうなんです。当時のチャンネルの主導権を持ってるのが母だったので、強制的に見させられているうちに、 あれ、ちょっと面白い、次が気になるな、という感じで徐々に。だから『冬ソナ』はだいぶ中盤から見たんですけど、終わってからもう1回、最初から見た感じで。その後は、母がヨン様にハマった流れで『太王四神記』に。

アツミ:2007年に作られたヨン様主演のファンタジー時代劇ですよね。神話から始まる壮大な物語で、映像的にすごい高いところ目指したな! って感じの。

 

はしも:今の韓国ドラマのCGってすごいんですけど、あの時代の限界というか。ヨン様が射る光の弓矢とか、全然当たってない、なんだそりゃ! みたいな感じで。CGがCGすぎるんですけど(笑)、物語が本当に面白くてハマっちゃったんですよ。

アツミ:あの当時、男性の韓国ドラマファンって、ほとんどいなかったと思うんですが。

はしも:全くいないです。うちの家族でもハマってたのは母親と僕だけで。中3とか高1ぐらいの反抗期だったんですけど、韓国ネタを話せる相手が母親しかいなかったんで、母親だけとは話せてましたね。

アツミ:『冬ソナ』はどこが魅力だったんですか?

はしも:なんていうんですかね、ベタな展開が。一話見ると次が気になる、次が気になるという、まさに「沼」な感じなんですよ。ロスという言葉もなかった時代ですけど、うわ、なんだこれ、なんか寂しいっていう、まさにロスになりました。

アツミ:『冬ソナ』と言えば、私がすごく覚えているのは、ヨン様の学ラン姿なんですよね。放送当時、ヨン様はちょうど30歳なんですけど、主人公の高校時代も演じていて。あまりに体格がいいので、巨大な黒いお弁当箱みたいになってたのが。今ではそういうのも見慣れましたが、当時は無茶するなあと(笑)。

はしも:無理すぎましたね、あれは。大人になったときに演じる俳優が、平気で学生時代も演じてるのは、今も「韓国ドラマあるある」ですよね。

アツミ:それこそ『冬ソナ』は韓国ドラマあるあるの宝庫なんですよね。自転車のラブラブ二人乗りとか、雪で足止めされて一泊二日二人きりとか。『愛の不時着』はそういう基本の「あるある」のパロディが満載で、いちいち「まってました!」って感じでした。

はしも:『愛の不時着』を見て「韓国ドラマも1周したな」と思いましたね。『冬ソナ』含め過去作品の「あるある」で自虐的に笑いを取ってたので。でもそれでいて、まだぜんぜんイジれるポイントを用意してるんですよ。例えば15話で、ソ・ダンを助けに来たク・スンジュンが持ってきた武器が、なんで2発しか入らない2ショットガンなんだよ! っていう。弾込める間にだいぶ撃たれてるんですよ。ショットガンじゃなかったら絶対に勝てたのに(笑)。