現在、東京・新橋演舞場にて絶賛上演中、観た人からは絶賛の声が上がっている新作歌舞伎『刀剣乱舞』。出演の尾上松也さん、澤村國矢さん、市川蔦之助さんに、その魅力と見どころ、それぞれが込めた思いまでたっぷり語っていただきました。熱く真剣に語っていたかと思えば次の瞬間にはくだけたおしゃべりに転じている、気心知れたお三方のやりとりもお楽しみください!

 

尾上松也(中央)
1985年生まれ。5歳で父・六代目尾上松助の襲名披露にて、二代目尾上松也として『伽羅先代萩』の鶴千代役で初舞台。近年は立役として注目され、『鳴神』の鳴神上人や『弁天娘女男白浪』の弁天小僧菊之助などの大役を任されている。歌舞伎以外にも映画、ドラマ、ミュージカル、吹き替えなど多岐に活躍。2023年は『Gメン』(8月25日公開)、『ミステリと言う勿れ』(9月15日公開)と、出演映画2本の公開が控えている。屋号は音羽屋。

澤村國矢(右)
1978年生まれ。9歳より子役として舞台や映像作品に出演。12歳より日本舞踊を学ぶ。1988年、歌舞伎座『義経千本桜』の子狐役で初舞台。1995年に歌舞伎役者になることを決意し澤村藤十郎に入門。澤村國矢を名乗る。数々の歌舞伎公演の舞台をつとめ、立役として幅広く活躍。近年は超歌舞伎の舞台にも出演し、中村獅童の相手役をつとめると共にリミテッドバージョンでは主役を演じ、活躍の場を広げている。屋号は紀伊國屋。

市川蔦之助(左)
1979年生まれ。宗家藤間流の師範である両親のもと、物心つく前から踊りの手ほどきを受ける。高校卒業と同時に四代目市川左團次に入門。1998年、『二人道成寺』の所化役で初舞台。以降、立役と女方の両方で活躍。とくに幼少より修行を積んだ舞踊には定評がある。2014年、『春興鏡獅子』の胡蝶の精役で三代目市川蔦之助を名乗る。2018年、2019年に開催した自主公演「蔦の会」でも注目を集める。屋号は高島屋。

 


歌舞伎との相性のよさにこれは、と思った


ーー『刀剣乱舞』が新作歌舞伎で上演されると聞いた時、これを思いついた人はすごいと思いました。今回の舞台がスタートするきっかけは何だったんでしょうか。

尾上松也(以下、松也) 一緒に何かやろうといろいろ相談していた方から「『刀剣乱舞』は?」と提案されたのが最初ですね。もちろん存在は知っていましたが、そこから自分でも調べてみると、ストーリーは自由ですし、どのメディアミックスもオリジナルで作っている。設定もとても歌舞伎にしやすく、キャラクターは洋装もいるけど基本的には和装が多くて、名前も変える必要がないですよね。これは、と思いました。

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【写真】終演後の新橋演舞場で取材に応じてくださった
松也さん・國矢さん・蔦之助さん

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