うさたが11歳の時、脾臓に腫瘍が見つかりました。検査をしても腫瘍ははっきりと写らず、手術の決断を迫られました。でも、歴代の猫たちと比べて長く生きてくれたし、負担になる手術はしないと決めました。もしこの腫瘍が破裂したらやれることはないと獣医師に言われたため、時々病院に通いながら様子を見ることにしました。幸いなことに、このあとは元気に過ごしていたんです。

白いバラと、真っ白なうさた

食欲が落ち始めてきたのは、今年になってから。もともと夏は食欲が落ちてしまうので、夏に部屋が暑くならないよう、今の家を選ぶ時にあえて北向きにしたくらい。でも、今回は冬に食欲が落ちたのでこれはおかしいと思って病院に連れていきましたが、原因はわかりませんでした。

 

春になり、私が21時くらいに仕事から帰宅したところ、うさたがぐったりと倒れていました。私はとうとう脾臓の腫瘍が破裂してしまったと思いました。病院に連れて行ってもできることはなく、19歳まで生きてくれたのだから、「もうこのままでいいよね」とうさたに話かけたんです。そしたらうさたに「ギャー!!」って怒られました。ふと我に返って夜間診療の動物病院に駆け込んだら、吐きすぎて低血圧になっていたようで、腫瘍の破裂ではなかったんです。うさたが怒らなかったら、この時がお別れの日になっていたかもしれません。

庭で遊ぶうさた。どこまでも猫ファーストで住まいを決めたあいさん。庭があったのも理由のひとつ。

その後も原因がわからない状態が続いていましたが、今年8月にお腹の調子がよくなかったので腸を中心に検査してみたところ、腸腺癌ということが明らかになりました。腫瘍は骨盤に隠れてわかりづらいところにあり、検査と手術で2回の全身麻酔が必要と言われました。また、猫の腸腺癌は術後の予後が著しくよくないそうで、手術しなかった場合と比べても残される時間はそう変わらないとのこと。だから私は、手術をしないという2回目の決断を下しました。

猫の腸腺癌は長寿の猫に発症するのがほとんどだそうですが、それはなぜなのか。長寿ということはそれだけ人に長く寄り添ってくれたことなのに、なぜそんな仕打ちが待っているのか? 私にはとうてい理解できませんでした。