新NISAは利回り4%行けば御の字。「お金の新しい置き場所」程度に考えて

ところで新NISAで投資信託を買ったら、そのまま長期に置いておくので良いのでしょうか。

「毎日株価の変動をチェックすると時間が取られるので、仕事がある人は放っておいてもいいようなものを買うのが正解だと思いますよ。そんなに欲をかかないで、利回り4%行ったら御の字という感じで、お金の新しい置き場所くらいに考えて、自分の仕事に没頭するのが良いですね」

長期保有するとなるとやはり年数だけ手数料がかさんでくるので、手数料の低さがポイントになってくるそうです。証券会社や銀行の窓口に行くと、やはり手数料の安いものは積極的に勧めてこないようで……。

 

「私も昔販売員だった時は手数料が高いものを売りたい気持ちはありましたよ。みんながそうとは限らないけど、販売側は手数料収入を考えて提案しているということを頭に入れておいた方が良い。手数料が2%だとして、2%以上の勝ちを出すのは大変。対面の窓口だと、販売側が考えて商品を絞り込んだり、商品説明するための人件費がかかりますが、ネット証券では商品一覧から商品の種類や手数料を絞り込んで比較できて、デジタルコンテンツ(文字・図・動画など)での商品説明なのでコストも抑えられます

販売員の指導までしていたというニクヨさんの言葉は説得力があります。今は新NISAをやれば儲かるみたいな空気になっていますが、今後の経済の動きがどうなるかはわかりません。私のように含み損が出てしまった場合でも、株や債券を持っていることで精神的に優越感や充実感を得ることができるのでしょうか。

債券はお金を貸してあげているということで、株は経営に参加する権利を持っているということ。株を買い占めると経営権を持てますね」と、ニクヨさん。

もし万一下がっても、自分が社会に貢献できた、と思うことで少しは慰められ、気を持ち直せるかもしれません。そうならないことを祈りながら、世界や日本経済の変動を見守っていきたいです。

肉乃小路ニクヨさん待望の初著書『元外資系金融エリートが語る 価値あるお金の増やし方』(KADOKAWA)は、売れ行き好調につき重版出来!


(次回、人気ジャパンブランドの名品パンツを履き比べ! 2月18日配信予定です)

 
辛酸なめ子、アラフィフの壁を乗り越えるとは?
「アラフィフの壁」を無理なく、軽やかに越え続ける漫画家・コラムニストの辛酸なめ子さんが、自らのアンテナに引っかかった事象を紐解く連載です。前回に引き続き、金融愛好家、ニューレディー、コラムニストの肉乃小路ニクヨさんをゲストにお迎え。「投資で含み損が大変なことになっている」というなめ子さんが、ニクヨさんにガチで相談します。

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撮影/大坪尚人(本社写真部)
構成/露木桃子
 

 
 
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