少ないワードローブでおしゃれを楽しむために心がけていることとは?

クローゼットとして使用している部屋。左側に洋服、右側にバッグと靴を並べています。(Katieさん)


——服の数が少ないとどうしてもコーディネートがマンネリ化してしたり、よく着る服とあまり着ない服が出てしまいます。少なくてもおしゃれを楽しめるワードローブの揃え方を教えてください。

 


〈少ないワードローブでおしゃれを楽しむための3つのポイント〉

①どの組み合わせでもOKなアイテムしか持たない

「例えばデニムとジャケット、ジャケットとフレアスカート、ジャケットと白いパンツなど、すべてのアイテムがどの組み合わせでも合うように揃えています。服はすべて時代や年齢を問わないベーシックなデザインのもので、色は基本的に黒、紺、グレーが多いです。自分にとって心地いい色がこの3色なんです。

少ないアイテムで過ごすために必要なのは、一つのアイテムに対して用途をたくさん見つけること。例えば私は部屋着を持っていないんです。私にとっての部屋着は白シャツで、下はフレアスカートかデニムを穿いています。白シャツってくたくたになるまで着られるので、実はすごくコスパがいいんですよね。だから仕事でも着るし部屋でも着ます。毎日着ているからリラックスできますし。こんな風に一つで何通りもの活躍をしてくれるので、持っているアイテムが少なくても全く不便を感じません」


②コート以外はオールシーズン着用できるものを選ぶ

「白シャツやブラウス、ジーンズは季節を問わないので一年中着ています。
YouTubeを始めてから視聴者の方から『ニットは持っていないのですか?』とご質問いただくことが多かったのですが、その理由は、ニットのチクチクした感じが苦手なのと、室内では暑くなってしまうんです。
冬は白シャツの下にヒートテックなど機能性インナーで調整すれば十分暖かい。
また、紫外線アレルギーで半袖を着られないのでTシャツも持っていなくて。夏でも長袖の白シャツを着ています。
コート類は夏でも出しっぱなしです。持っている服の数が少ないので、クローゼットの端の方に掛けておけば特に気になりません」

コートはトレンチコート、ウール&カシミヤコート、ロングダウンの3着。それぞれ用途がちゃんと別れていて、時代を問わないベーシックなものを選んでいるので今のところ買い替えの予定はありません。(Katieさん)


③色はスカーフやアクセサリーで楽しむ

「服の色がベーシックで暗めなので、遊びたいときは小物を差し色として使っています。帽子とスカーフ類、手袋は引き出しの同じ段に収納していて、その段は唯一色があるコーナー。色が欲しいときはそこのアイテムを取って使うというシステムです。

色をたくさん使ったコーディネートって上級者向けだと思うので、できる人はいいんだと思いますが私には難しいので。ちょっとした差し色で遊ぶという楽しみ方が自分には合っています」

帽子、スカーフ、手袋は引き出しの同じ段に収納。特にパリのグローブ屋さんで買った手袋が好き。お店に行くとたくさんの種類の中から選ぶことができて、その人の手にぴったり合うサイズを出してくれるんです。(Katieさん)


実は収納が大の苦手なKatieさん流の収納法とは?

バッグと靴も表から見えるように並べています。仕舞い込むと埃が溜まったり湿気でレザーが傷んでしまうので、出しっぱなしがいいというのが持論です。(Katieさん)


——基本的に服はすべてハンガー掛けですか?

「そうなんです、なぜなら収納ができないから(笑)。畳んできれいに並べることができないんです。なのでデニムとリネンパンツ以外はすべて木のハンガーに掛けています。

学生時代は散らばった服をクローゼットに押し込んでいたような人間だったのですが、それだとやっぱり嫌だなと思ってだんだんとものを厳選していったら、きれいに扱えるようになっていきました。良くも悪くもものに動かされるんですよね、人って。丁寧に扱うと自然と所作も丁寧になっていく。少なくとも私は明らかにものによって変わりました」

ハンガーはどこで買ったかも忘れてしまったノーブランドのものです。セレクトショップ風にしたかったのでクローゼットに合わせた木製のものを購入し、それ以来買い足すことはありません。(Katieさん)
デニムとリネンパンツの2着は引き出しに。ポンポンッと二つ並べているだけなので、収納というほどのことは何もしていないんです。(Katieさん)

「ジュエリーはジュエリー専用の引き出しに保管しています。ジュエリーには全く興味がないタイプなので、母や祖母のお下がりと、毎年誕生日に息子と夫が選んでくれるものをときどき付けるくらい。下着と靴下類も引き出しに保管しています。

特別な収納術はありませんが、セレクトショップのきれいに商品が並んでいる感じが憧れだったので、見たときに気分が上がるような並べ方は意識しています。並べ方にこだわりがあるわけではありませんが、ジュエリーの段、小物の段という風にカテゴリーごとにそれぞれ部屋がある感覚で引き出しを分けています。

防虫剤は使っていませんが、気をつけているのは風通し。コットンやレザーは元々生き物なので、生き物を扱うように、ものたちが気持ちよく呼吸できるように心がけています」

結婚指輪も婚約指輪も要らないほど(笑)、ジュエリーにはほとんど興味がないんです。(Katieさん)


いかがでしたでしょうか? 自分が本当に欲しいものに真剣に向き合い、必要のないものは世間がどうであれ潔く持たないスタイルには、洗練されたクローゼット作りのヒントがたくさんありました。次回の記事ではKatieさんが現在のシンプルシックなものとの付き合い方に至ったきっかけと、買い物やトレンドとの付き合い方について教えていただきます。
 

撮影/Katie
取材・文/堂坂由香
 
 
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