年々やせにくく、太りやすくなってきた……そう感じる40代は多いかもしれません。加齢と共に代謝が落ちていくだけではなく、若い時に比べて活動量が減っているのも要因のひとつ。
「でも食べないダイエットは絶対に禁物。代謝を落としてさらにやせにくくなるだけではなく、やつれて老けた印象になってしまいます。また40代以降はホルモンバランスが乱れやすく、閉経後は骨粗しょう症リスクやコレステロール値が高くなる傾向に。食べないダイエットをすることで病気のリスクも上がってしまいます」と管理栄養士の岸村康代さん。
そこで実践したいのが食べ方を工夫する「食べてやせるダイエット」です。

「この時季、注目すべきは春に旬を迎える食材。春野菜は食物繊維やカリウムなど、冬に溜め込んだ脂肪や余分なものを排出する栄養素が豊富です。春に旬を迎える魚介類も栄養豊富で低カロリー。“やせる栄養素”がギュッと詰まった旬の食材で、健康的にやせませんか?」
この連載では8回に渡って、ダイエットのために取り入れたい旬の食材とおすすめの食べ方をご紹介。第2回目は「ホタルイカ」です。
 

低脂肪&低カロリー、栄養豊富なたんぱく質食材!

写真:Shutterstock

5㎝前後の小さなホタルイカですが栄養の宝庫で、一般的なイカにはない栄養もこの小さな体に詰まっているそう。
「何といっても魅力的なのは、100gあたり74㎉と低カロリーで低脂質なこと。そしてワタも含めて丸ごと栄養をいただけるのが魅力です」と岸村さん。
具体的な“やせる栄養素”は、たんぱく質、ビタミンB1、ビタミンB2、カリウム、亜鉛など。
筋肉の元となるたんぱく質は、ダイエットには欠かせない栄養素。しっかり摂ることを意識する人も年々増えてきました。
「ただ残念なケースなのが、たんぱく質を摂るために肉を食べた結果、脂質もしっかり摂ってしまい、ダイエットには逆効果になってしまうこと。その点、ホタルイカは低カロリーで良質なたんぱく質なので安心して食べられます」

そしてダイエット中に不足しがちなビタミンとミネラルが豊富なのもホタルイカの特徴。
「ビタミンB1は糖やアルコール、ビタミンB2は脂質の代謝の補酵素になると『菜の花』の回でもお伝えしました。ホタルイカで注目したいのは、ビタミンB群の1種であるパントテン酸。エネルギー代謝に欠かせず、またストレスのときに必要とされる栄養素です」。ダイエット中のストレスにも一役買いそうです。
「ミネラルでは、ナトリウムの排出を促してむくみを解消するカリウムのほか、亜鉛も豊富。亜鉛は体のいろいろな代謝の補酵素として働きますが、ダイエット中に不足しがちな栄養素。ホタルイカでしっかりとりたいですね」。そのほか鉄や銅といったミネラルもホタルイカには豊富に含まれているそう。

そのほかの栄養素としてはビタミンAがトップクラスで、ホタルイカ50gで1日の推奨量が摂れてしまうほど。また血液をつくるビタミンと呼ばれているビタミン12も豊富で、ホタルイカ20gで一日の推奨量が摂れるそう。
 

 


おすすめレシピ ホタルイカのレモン味噌和え

 

栄養豊富なホタルイカですが、ビタミンCと食物繊維は含まれていません。なのでいっしょに摂ってあげるとベスト。おすすめは“酢味噌”ならず、“レモン味噌”和えです。
「お酢の代わりにレモン汁を使ってビタミンCをプラス。普通の酢味噌よりもさっぱりといただけます。またホタルイカと一緒にワカメを添えることで食物繊維を補いましょう」
 

 材料(2人分) 
★白みそ 小さじ1強
★レモン汁 小さじ1
★砂糖 小さじ1/2
ホタルイカ 50g
乾燥ワカメ 2g

 作り方 
1 ★を混ぜる。

2 ホタルイカ、戻したワカメに1を添えていただく。「前回の『菜の花』を添えるのもおすすめです」



春の風物詩のホタルイカですが、こんなにも栄養が豊富とはご存知なかった方も多かったのではないでしょうか。そのほか「菜の花」と同様にニンニクと炒めてペペロンチーノにするのもおすすめだそう。いろいろなレシピでホタルイカを楽しんでください。
 

岸村康代さん管理栄養士。野菜ソムリエ上級プロ。一般社団法人 大人のダイエット研究所 代表理事。ダイエット指導では2000人以上を成功に導き、落とした脂肪は合計10トンを超える。テレビをはじめとするメディア出演も多い。『きれいにやせる 食材&食べ方図鑑』(家の光協会)など著書も多数。


構成・文/村田由美子
 

 

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